201X年、島根県が一大IT都市になる...かもしれない
島根から生まれたプログラミング言語「Ruby」
2014年4月に推定人口が70万人を下回った島根県。県内には国公立大学が2校、短大が3校しかなく、若い人が進学で県外に流出する傾向がある。
Rubyを開発したのは、島根県松江市在住のソフトウェア技術者まつもとゆきひろさん。楽しくプログラミングでき、生産性の高さでは定評がある。仕様に関する議論の多くは日本語で行われ、日本人がとっつきやすいメリットもある。
島根県のITベンダが携わっているかどうかは不明だが、楽天市場やクックパッドといった大規模サイトも自社サービスにRubyを採用している。
2006年に松江市は、JR松江駅前に「松江オープンソースラボ(松江市開発交流プラザ)」を設置。ここをRubyの聖地とするためのプロジェクトをスタートさせた。島根大学や地元企業と連携しつつ、IT人材の育成をはじめ、ビジネス研究会の運営、システムの販路拡大などを支援する。
さらに昨年6月、同市はRubyを無料で学べる中学生向けのサイトをインターネット上に開設した(参照:プログラミング言語「Ruby」が中学生でも学べるサイト)。
これらの努力は徐々に成果を上げている。地元ITベンダの売上は、2007年から2012年の6年間で約120億円から約178億円にアップした。東京や大阪の企業が県内に開発拠点を置くケースも現れている。
恩恵を受けるのはIT産業だけでない。県内の一般企業が、地元企業の開発したシステムを採用することによって、業務効率化を果たす事例も生まれている。