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四角い食パンを「角食」と言うのは北海道と兵庫だけ...いったいなぜ?

Jタウン研究所

Jタウン研究所

2014.09.19 08:00
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食パンの形は大きく2種類に分かれる。上部が丸みを帯びている「山型」と、四角形の「角型」だ。
前者は焼型にフタをしないで焼き上げる。気泡が大きくてパリパリしているのが特徴。 これに対して角型はフタをして焼くので、密度が濃くもっちりした仕上がりになる。サンドイッチを好むアメリカ軍の日本進駐に伴って普及したといわれる。 パン食の普及した日本だが、両者の違いを意識することなく「食パン」と呼ぶ人が多いのではないだろうか。

ところが、北海道では角型食パンを「角食」(かくしょく)と呼び、一方の山型食パンは「山食」(やましょく)と使い分けている。ネット辞書の中には「北海道方言」としているところもある。

Jタウンネットは2014年6月17日から9月16日までの約3カ月間、「角食という言葉、使う?」というテーマでアンケートを実施した。北海道から沖縄まで673票の回答をいただいた。

全国的に見ると「よく使う」に投票した人は9%にすぎず、「たまに使う」の6%、「知ってはいる」の11%を足しても26%。全体の約4分の1程度しかない。「使わない」=知らないと見なすなら、「角食」が広く認知されているとはいえない。

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ちなみに「使わない」しか票が集まらなかったのは、岩手・福島・栃木・三重・奈良・島根・山口・徳島・愛媛・高知・佐賀・長崎・熊本・宮崎・鹿児島の15県だった。

北海道の「使う」+「知っている」率は9割以上!

次に都道府県ごとの傾向を見ていこう。

角食を最も使っているのは、やっぱり北海道だった。「よく使う」と「たまに使う」の合計は77%に達する。北海道と青森県で展開する製パン会社、日糧製パン(通称「日糧パン」)が広めたといわれているが、正確なところは分からなかった。なお、日糧パンは2009年に山崎製パンの子会社となり、公式サイトでは角型食パンを「食パン」と表記している。

北海道の最終結果
北海道の最終結果

青森はどうだったかというと、「たまに使う」と「使わない」が50%ずつ。もっとも県全体の総得票数は4票だったので、これが県の実態を表わしていると断定はできないが、隣り合う北海道の影響を受けている可能性は考えられる。

青森県の最終結果
青森県の最終結果

「元祖」のお店では角食=ゴールド

日本に食パン文化をもたらされたのは江戸時代末期。横浜在住のイギリス人クラークが始めた「ヨコハマベーカリー」といわれる。イギリスは山型食パンが主流で、日本で先に広まったのも山型だったようだ。
クラークの下で修業した打木彦太郎が独立して開いた店「ウチキパン」は現在も横浜・元町で営業を続けている。この店の山型パンは「イングランド」、角型パンは「ゴールド」という商品名で販売されている。

少々話が脱線してしまったが、神奈川県の「角食」呼称率は全国平均よりも低く、「よく使う」「たまに使う」「知ってはいる」を合計しても13%しかない。

神奈川県の最終結果
神奈川県の最終結果

ところで、藤沢市片瀬に本店のあるベーカリーPINY(パイニイ)は、角食・山食という言葉を使っている。
6月17日の記事(「角食」という言葉、使う?)で「鎌倉、少なくとも私の身内では角食で通じますが。」というツイートを紹介したが、ひょっとしたらPINYの客かもしれない。

関西では兵庫だけ異なる傾向が

総務省の家計調査によると、京都や兵庫などの関西地方はパンの消費金額が全国平均よりも高い結果が出ている。
そこで京都・大阪・兵庫の3府県を比較してみた。京都と大阪は「使わない」が約7割を占めたのに対し、兵庫は「よく使う」が最も多くの票を集めた。

京都府の最終結果
京都府の最終結果
大阪府の最終結果
大阪府の最終結果
兵庫県の最終結果
兵庫県の最終結果

ネットで調べてみると、神戸のベーカリーで角食・山食の名称を使う店がいくつもヒットする。藤沢のPINYのような店が多数存在し、住民に浸透しているためにこのような結果になったのだろうか。
似た県として取り上げられることの多い神奈川と兵庫で対照的な結果が出たのは興味深い。

Jタウン研究所ではほかにも、さまざまな地域差を調査している。ご興味を持たれた方は参照してほしい。

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