岐阜7割! 「ダンシング・ヒーロー盆踊り」の認知度を都道府県別に調査してみた
岐阜県などの一部では、盆踊りの際に荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」を踊っている――そんな情報を、以前Jタウンネットで取り上げた(岐阜・愛知県民は、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」で盆踊りにフィーバーする)。
特に美濃加茂市では1991年以来、およそ四半世紀にわたってこの曲が踊り継がれ、まさにスタンダードナンバーとなっているという。岐阜県出身の20代男性に尋ねてみたところ、
「この曲が流れるのが当然だった。全国でやっているものだと思っていた」
そうだ。
普及のルートは...?
一方で岐阜以外の、愛知や静岡、また東京などでも「ダンシング・ヒーロー盆踊り」が踊られていたとの情報も得られた。
いったい、ダンシング・ヒーロー文化圏はどこまで広がっているのか。また、どのようなルートでこの文化は伝播したのか。
謎を解明するべくJタウン研究所では2014年6月25日~8月21日の約2か月間、「ダンシング・ヒーローを盆踊りで踊っていたか」を尋ねるウェブアンケートを行った。全国509人からの投票結果を都道府県別にまとめたのが、下記の地図だ。
色が濃いところほど「踊ってた」の割合が高い。白色は0%だ。福井県は0%だったが、「聞いたことはある」が一定数存在した。
見ての通り、69.5%と7割近くが「踊ってた」岐阜県を中心として、東西にダンシング・ヒーロー文化圏が広がっていることがわかる。さらに愛知県が59.6%、静岡県30.0%、神奈川県25.0%、千葉県14.3%といった具合に、岐阜県から離れれば離れるほど割合が下がる傾向が見受けられる。
なお最も「踊ってた」率が高かったのは三重県と鳥取県だが(100%)、ともに投票数が1桁であり、ある程度割り引いて考える必要があるだろう。とはいえ、京都~兵庫~鳥取と、隣接する府県で「踊ってた」と答えた人がいることは注目していい。
シルクロードならぬ「ダンシング・ヒーロー」ロードが?
前回の記事でJタウンネット編集部は、「ダンシング・ヒーロー盆踊り」を踊る地域に「本場」美濃加茂市を初め、外国人住民が多いところが目立つことを指摘した。また静岡県内でも、美濃加茂市とほぼ同時期に「ダンシング・ヒーロー盆踊り」が踊られた記録があることから、
「美濃加茂市で偶然発生した文化が周囲に伝播したのではなく、ある時期に外国人住民が多い地域を対象に全国的にプロモートが行われ、結局同地を中心に根付いた」
との仮説を提示した。
しかしながら今回の結果からは、岐阜県を中心にシルクロードならぬ「ダンシング・ヒーローロード」をたどり、徐々に文化が伝わっていった流れが想定できる。上記の仮説は、いったん見直さざるを得まい。
もっとも「ダンシング・ヒーロー文化圏」の展開については、まだまだ多くの謎を残している。引き続き、読者の皆様からの情報提供をお待ちしたい。
お知らせ
Jタウン研究所の連載が、電子書籍になりました!『カレーに牛肉?豚肉?――日本の「地域差」大研究』は、Amazon Kindleストアで現在好評発売中です。