名無しになっちゃった「元モッピー」、それでも健気に大阪をPRしていた
大阪府のマスコット「モッピー」。「キャラを絞れ!」という偉い人の命令で、誕生から17年にして府の「センター」に抜擢されたその一方で「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)のキャラクターと名前がかぶっていることが判明。先輩にもかかわらず商標権の都合で改名を余儀なくされたことは、ゆるキャラファンのみならず世間の関心を集めた。
そんな元モッピーが、8月6・7・11日の3日間、東京に滞在していることが分かった。東京都庁で開催中の即売会「大阪まるかじりフェア」に出演するためだが、12時30分から13時15分の45分間しか姿を現さない。
元モッピーという名称で会えるチャンスは、これで最後かもしれない――そう思った筆者は、新宿副都心にある東京都庁へ足を運んだ。
よく見るといい男かも...元モッピー!
フェアが開催されている場所は第一本庁2階・全国PRコーナーだ。地上202メートルの無料展望台見学コースの出口付近にあり、日本人だけでなく外国の観光客も大勢訪れる。
現場で目撃した元モッピーは、偶然通りかかった外国人と肩を組んで記念写真を撮っていた。格好もラフだが性格もラ...いやいやフレンドリーな印象を受ける。名札のつくりが「ふなっしー」のそれっぽいけれども見なかったことにしよう。「モッピー」の上に小さく貼られた「元」の文字が何とも侘しい。それでも、「名無し」の悲哀など全く感じさせず、元モッピーは元気いっぱいに振る舞っていた。
横にはもう1体マスコットが。南泉州のイメージキャラクター「なすびん」で、ご当地の特産品ナスをモチーフにしている。
「名前を一新するついでに、デザインも変えちゃったら」という声が出ている元モッピー。筆者も最初のうちはそう思っていた。ところが、都庁見学に訪れていた子供とツーショットを撮ったとき、子供が満面の笑みを浮かべていたのを見て確信した。
「変える必要一切なし、ありのままの元モッピーが素敵!!」。
ふとある芸能人を思い出した。往年の人気番組「クイズ・ドレミファドン!」(フジテレビ系)で司会を務めた高島忠夫さんだ。彼が「イエーイ!」のポーズを取っているときの雰囲気に元モッピーは似ている。確か彼も関西出身。正確には神戸だけど...。
下手に近寄ると餌食にされちゃうんじゃないかというくらい迫力のある風貌だが、視点を変えれば励ましキャラに見えなくもない。
近くにいた職員に「新しい名前募集にどれくらい応募きたのですか?」と尋ねたところ、「もう募集は締め切りましたが、おかげさまで数千通いただきました」という返事が。うむ、元モッピーの未来は何だか明るそうだぞ!
大阪グルメもあるよ
会場には大阪が誇るこだわりの特産品が売られている。愛想のいい店員さんが関西弁で「どうですか~」と勧めるのは、「水なす絹浅漬」「塩糀昆布」「泉州たまねぎ」など。大阪は工場と住宅地のイメージしかなかったが、天下の台所と呼ばれた大阪や、東洋のベニスこと堺を有するだけあって、食文化の豊かさが感じられる品揃えだ。
一部商品は試食も行っており、何気なく口に含んだ昆布商品の美味しさにしびれた。迷ったあげく郷田商店の「酢昆布」(堺市堺区)を1つ購入。家に帰って食べるのが楽しみだ。
日によってラインナップは異なるようなので、興味のある方は事前に確認または問い合わせの上お出かけすることをお勧めする。