ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

「悪臭で目が覚める」日々の次は「ガ」地獄...米沢市民の憂鬱は終わらない

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.07.29 19:09
0

山形県米沢市は、2009年のNHK大河ドラマ「天地人」の主役・直江兼続にゆかりの深い場所として知られる。江戸時代きっての名君・上杉鷹山を輩出した地域でもある。山形弁を話すアメリカ人、ダニエル・カールは米沢で方言をマスターした。

外国人をも魅了する米沢だが、現在2つの問題に悩まされている。

1つは蛾(ガ)の大量発生だ。
2014年7月29日放送の「モーニングバード」(テレビ朝日系)によると、「マイマイガ」と呼ばれるガの一種が、先週のはじめころから市内全域に大量発生している。電灯の周囲に集まるガは景観を損ねるだけでなく、道路には死がいが散乱している。
大量発生の原因だが、一説には捕食する鳥が減っているからと言われている。ガはあちこちで卵を植え付けており、来年以降も大量発生の続く可能性が懸念されている。
同様の大量発生は北海道、福井、長野、岐阜でも起きているという。

米沢の城下町(ALF_Kさん撮影、Flickrより)
IMG_0254

臭気モニタリングを実施するほど悪臭がひどかった

もう1つは市民が長年悩まされている悪臭問題だ。
主な発生源は南原地区にある養豚場とたい肥製造事業所の2カ所とみられ、離れている市街地に達することもしばしば。この問題について、Wikipediaの米沢市にはかつて次のように書かれていた。

悪臭は工業地帯から排出されるアンモニア臭の混じった生ごみのような腐敗臭、養豚場から排出される家畜のフンのような臭いの2つ。市内に漂うのは主に前者の臭いである。後者は市の南部と松川沿いの地域で確認されている。
日によっては市内全域にわたり臭いが充満し、場所によっては息苦しさを感じることもあり、夏場は悪臭によって窓も満足に開けられない、朝は悪臭で目が覚める等の市民の声が上がっている――

悪臭はようやく解決へ...と思ったらガが!

悪臭は市議会でも取り上げられ、2008年には悪臭問題特別委員会が設置された。市は臭気モニターボランティアを募集。モニタリングを実施し、その結果をもとに業者に脱臭装置の設置や清掃を徹底するよう改善勧告を出した。業者側も汚物の納入を停止したり、飼育頭数を減らしたことで改善に向かっている。
さらに今年に入って進展があった。たい肥製造業者は飼料保管場に転換し、養豚場も移転の準備を進めているという。
委員会が3月にまとめた報告書では、「悪臭問題の全面解決まであと一歩のところまできた」としている。発生源がほかになければ、だが。

一難去ってまた一難の米沢市だが、優れた観光資源をかかえているだけに、大量発生したガ問題も市民が団結すれば乗り越えられることだろう。
市民、そして訪れる観光客が快適に過ごせる環境が一日も早く実現するよう、祈るばかりである。

PAGETOP