「近所のスーパーの催事とか、大したモンないだろ...」→絶品ます寿司が売ってて反省
ご当地グルメでビールがうまい!
話を元に戻す。
「ます寿司」は、鱒(さくらます)を用いて、発酵させずに酢で味付けした押し寿司だ。8代将軍徳川吉宗に献上された記録も残り、富山を訪れた旅人が真っ先に名前を挙げるグルメでもある。
「ますのすし」は1912年に「源(みなもと)」が駅弁として販売を開始した商品で、鉄道の普及とともに全国にその名が知られるようになった。筆者が購入したのも源の商品だ。
自宅に帰り、紙のパッケージの中から出てきたのは木の器「曲げ物」。4本の青竹で上下から挟んである。
上蓋を開けると、笹の葉が目に飛び込んでくる。一枚一枚丁寧に開いていくと、ようやくます寿司が現れる。
プラスチックナイフが添付されており、これで放射線状にカットしていくが、切れ味を考えると包丁を使った方がよい。8等分にカットしたが、脂で手がべとべとになってしまった。
ます寿司は夏場でも2、3日は日持ちするよう作られている。冷蔵庫で冷やしてしまうと硬くなってしまい、カットするのに苦労する。「召し上がり方」によると20度前後で保存するのがいいらしい。
1食分で668キロカロリーあったが、ペロリと平らげてしまった。
ますの脂はほどよくのっていて美味しい。しょう油をかけることなくそのまま食べられる。米はすべて富山県産を使っているそうだ。酢飯は甘いといっていいくらいの味付けだが、辛いのが苦手な筆者にとってはちょうどよい。一緒に飲んだビールがいい感じに進んだ。
富山市内には伝統を受け継ぐ店が各所にあり、それぞれ匠の技を競っているという。来年、北陸新幹線が開通したら現地で食べ歩きをしてみたい――そう思わせる逸品だった。
ご当地グルメの催事といえば、百貨店のイメージしかなかった。近場のスーパーがこれほどのフェアを開催しているとは――筆者にとってはちょっとした驚きだった。
各地をめぐってご当地グルメ食べ歩き――なかなかそんな余裕がない人も、近所のスーパーの催事をしっかりチェックすれば、おいしい「ご当地ライフ」がエンジョイできる可能性を感じさせた。