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「近所のスーパーの催事とか、大したモンないだろ...」→絶品ます寿司が売ってて反省

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.07.22 18:01
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2014年7月某日、筆者は新聞の折り込みチラシを整理していた。普段はろくろく中身を読まずに整理箱へ放り込むのだが、3連休の初日ということもあり一つずつ丁寧に目を通した。
「あんまり大した情報はなさそう」――そう思っていた矢先、食品スーパー「三徳」の広告に掲載されている「北陸味紀行」に目を奪われた。7月19日から22日までの4日間、富山・石川・福井各県の物産を一堂に集めたフェアを開催している。

いかにも美味しそうなグルメが掲載されているが、中でも気になったのは富山名物の「ます寿司」。歴史に裏打ちされた寿司は全国各地に様々あるけれども、この郷土料理は一度も食したことがなかった。

ます寿司(写真は編集部撮影)
ます寿司(写真は編集部撮影)

三徳は東京・神奈川・千葉に33店舗を有する。家の近所の店でもよかったが、品揃えの充実している新宿本店まで30分もかからない。筆者はチラシを片手に電車に飛び乗った。

スーパー三徳のデジタルチラシ(三徳ウェブサイトより)
スーパー三徳のデジタルチラシ(三徳ウェブサイトより)

いい意味で予想を裏切る品揃え

三徳新宿本店入口
三徳新宿本店入口

新宿本店の最寄駅は、東京メトロ副都心線・都営地下鉄大江戸線の東新宿駅から徒歩3分のところにある。目の前は都立戸山公園(箱根山地区)の南の入口で、木々の緑がまぶしい。

三徳は落ち着いた店内で、外観の色使いといい、雰囲気といい、大丸資本時代のピーコックストアっぽい。
入口を入ると、チラシの目玉商品がどーんと陳列されている。目当ての「ます寿司」も並んでいた。
価格は1200円を超えるけれど......3連休は遠出する予定ないし、自分へのご褒美として購入を決めた。

三徳新宿本店1階
三徳新宿本店1階

せっかくなので店内を見て回る。2階にもフェア対象商品のコーナーがあちこちにあった。北陸の和牛や海産物、銘菓、酒などがずらりと並ぶ。3県のアンテナショップが出張してきたかのようだ。

三徳新宿本店1階
三徳新宿本店1階
三徳新宿本店2階
三徳新宿本店2階

試食コーナーで声をかけてくれた女性のネームプレートに目をやった。どうやら応援販売員らしい。

東京・有楽町には福井と富山の物産館があるけれども、石川県のアンテナショップは現在閉鎖されている。今秋に既存店の3倍の規模でグランドオープンするそうだが、東京人にとってこうしたフェアは、石川の食に接するいい機会だ。

三徳新宿本店2階
三徳新宿本店2階

ご当地グルメでビールがうまい!

話を元に戻す。
「ます寿司」は、鱒(さくらます)を用いて、発酵させずに酢で味付けした押し寿司だ。8代将軍徳川吉宗に献上された記録も残り、富山を訪れた旅人が真っ先に名前を挙げるグルメでもある。

「ますのすし」は1912年に「源(みなもと)」が駅弁として販売を開始した商品で、鉄道の普及とともに全国にその名が知られるようになった。筆者が購入したのも源の商品だ。

ますのすし
ますのすし

自宅に帰り、紙のパッケージの中から出てきたのは木の器「曲げ物」。4本の青竹で上下から挟んである。

ますのすし
ますのすし

上蓋を開けると、笹の葉が目に飛び込んでくる。一枚一枚丁寧に開いていくと、ようやくます寿司が現れる。

ますのすし
ますのすし

プラスチックナイフが添付されており、これで放射線状にカットしていくが、切れ味を考えると包丁を使った方がよい。8等分にカットしたが、脂で手がべとべとになってしまった。
ます寿司は夏場でも2、3日は日持ちするよう作られている。冷蔵庫で冷やしてしまうと硬くなってしまい、カットするのに苦労する。「召し上がり方」によると20度前後で保存するのがいいらしい。

ますのすし
ますのすし

1食分で668キロカロリーあったが、ペロリと平らげてしまった。
ますの脂はほどよくのっていて美味しい。しょう油をかけることなくそのまま食べられる。米はすべて富山県産を使っているそうだ。酢飯は甘いといっていいくらいの味付けだが、辛いのが苦手な筆者にとってはちょうどよい。一緒に飲んだビールがいい感じに進んだ。

ますのすし
ますのすし

富山市内には伝統を受け継ぐ店が各所にあり、それぞれ匠の技を競っているという。来年、北陸新幹線が開通したら現地で食べ歩きをしてみたい――そう思わせる逸品だった。

ご当地グルメの催事といえば、百貨店のイメージしかなかった。近場のスーパーがこれほどのフェアを開催しているとは――筆者にとってはちょっとした驚きだった。
各地をめぐってご当地グルメ食べ歩き――なかなかそんな余裕がない人も、近所のスーパーの催事をしっかりチェックすれば、おいしい「ご当地ライフ」がエンジョイできる可能性を感じさせた。

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