都道府県別「コンビニ人気投票」結果発表! 東海サークルK王国、ハマっ子がひそかに愛するスリーエフ、群馬は「セーブオン最強!」
2014年7月現在、日本国内にあるコンビニエンスストアは5万店以上に達する。
ローソンの売上高と店舗数のシェアはどちらも20%前後だが、本アンケートの支持率は15.8%にとどまった。
そのローソンと業界2位の座を争うファミリーマート。売上高と店舗数のシェアは18%前後なのに、本アンケートの支持率は9.8%しかない。業界4位のサークルKサンクスの支持率12.8%を下回った。
さらに驚くのが小売業最大手・イオングループのミニストップ。アンケート対象の11社中、支持率は最低の1.1%だった。
北海道で圧倒的支持のセイコマ
次に都道府県別の傾向を見てみよう。
支持率5.5%で5位につけたセイコーマートは北海道札幌市に本部がある。地元では87%の圧倒的な支持だ。セブン-イレブンですら10%に満たない。5月末の店舗数はセイコーマートが1058、セブン-イレブンが907とそれほど差はないのだが。
セイコーマートの売りの1つ、店内調理の「ホットシェフ」は77%以上の店舗が導入している。道産の食材を使ったリテールブランドも高い支持を受けている。
愛知のコンビニチェーンは地元支持率に明暗
東海3県と石川で支持率トップだったのがサークルKサンクス。この4県は店舗数シェアも同チェーンが最も高い。本社は名古屋市だが、愛知よりも岐阜の方が支持率は高い。
親会社はスーパー「アピタ」「ピアゴ」などを展開する東海の雄・ユニーだ。この18日からはユニーの電子マネー「uniko(ユニコ)カード」を導入するなど、さらに連携を強める。東海での優位はそう簡単には揺るぎそうもない。
地元では根強い人気を保つが、他地域では苦戦が続く。京都と奈良のエリアフランチャイズが今春、ローソンにくら替えするという事態が発生、大きな話題を呼んだ(4月3日付記事:「近所のサンクスがまたローソンになってるんだけど...」参照)。その両県でサークルKサンクスは1票も入らなかった。
ココストアも愛知に本部があるコンビニチェーンだ。ソニー創業者の1人、故盛田昭夫氏の実家が経営していることで知られているが、支持率は全国平均とあまり変わらない。
近年はミニストップとの協業を進めていてトップバリュのアイテムが増えている。その一方でご当地の食材を使った商品開発に注力しており、岐阜の郷土料理を商品化した「鶏ちゃん弁当」は好評だ。
広島発祥のポプラは弁当が地元高支持率の理由!?
特定エリアに強いコンビニチェーンといえば広島発祥の「ポプラ」を外すわけにはいかない。山陰地方と広島では大手チェーン並みの店舗数を誇り、岡山と広島ではトップの支持率だった。
同チェーンの売りは「ポプ弁」。おかずだけの弁当が棚に並んでいて、レジに持っていくと、おかずは電子レンジで温め、ご飯は炊き立てを盛り付けてくれる。
注目の動きとしては、サークルKサンクスとともに、楽天スーパーポイントが貯まる「Rポイントカード」の導入にこの秋から踏み切ることだ。9000万人ともいわれる楽天ポイントユーザーの集客に、両社は期待をかけている。
激安は群馬の伝統!? セーブオンが人気1位
群馬県で店舗数が最も多いのはセブン-イレブンだが(5月末で432店舗)、2番目に多いセーブオン(同174店舗)が支持率77%を獲得してダントツの1位だった。
ベイシアグループの子会社で本社は前橋市にある。ホームセンターのカインズやユニフォーム専門店のワークマンも同じグループだ。「セーブ(save)=節約」という店名の通り、PB商品の価格は大手コンビニよりずっと安い。
当地は家電量販店のヤマダ電機やビックカメラの発祥地。「安くないと買わない」県民性が根付いている。この辺に人気の秘密がありそうだ。
最後に。横浜市に本社のあるスリーエフは全国に641店を展開する。うち神奈川県内に263店とその4割が集中するが、激戦区だけに店舗数のシェアでいうと7%しかない。
ところが、神奈川における同チェーンの支持率は、1位のセブン-イレブン(37%)に続き2位と大健闘。
コンビニチェーンがこぞって導入している淹れたてコーヒーは、実は同チェーンが元祖。2005年に実験店舗「gooz」(グーツ)で開始した「gooz COFFEE」(グーツカフェ)が先駆けだ。先進的な取り組みがハマっ子の心をつかんでいるのだろう。
「大手と中堅」の差は開きつつあるが...
コンビニはずいぶん前から飽和状態と言われながらも、最終的に8万店まで達するのではないかと予測する声もある。
商圏を狭めつつも売上を伸ばしている背景に、コンビニチェーンの絶えざる業態革新がある。例えば、セブン-イレブンは「近くて便利」というコンビニ本来のコンセプトを守りつつも、質の高いPB商品を次々と開発する。魅力あるレトルト&冷凍食品は、料理の手間をできるだけ省きたい単身~核家族の欲求に応えている。それでいてコールスローや豆腐といったベーシックな食品は案外安い。「支出を抑えつつ、一品だけ豪華に」という消費者のニーズに応えている。程度の差はあれ他チェーンも同様の方針を採っている。
小型スーパーと外食店の両方の領域を侵食しつつあり、ドラッグストアの攻勢もしのいだ。一方で業界大手と中堅の差は年々拡大――それがコンビニの現状だ。
しかし今回の調査からは、人々が地元に地盤を持つ中堅コンビニに、根強い愛着を持っていることもうかがえる。「コンビニ戦争」の今後の局面に注目したい。
投票は既に締め切ったが、「こんな設問でアンケートを実施してほしい」というご意見などあったら、下記のコメント欄に投稿してほしい。
※こんな調査も実施中。
◇「冷たい」と感じたとき、あなたの地元では何といいますか?
◇冷やし中華(冷麺)にマヨネーズかけますか?
◇冷奴は「からし派」それとも「しょうが派」?
◇移住願望はありますか? また、移住先で農業などのいわゆる「野良仕事」をしたいと思いますか?