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「餃子日本一」宇都宮の涙ぐましすぎる戦いの軌跡

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.01.31 18:59
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2014年1月31日に総務省が発表した「家計調査」で、栃木県宇都宮市が餃子の1世帯当たり年間支出額で全国1位になった。調査は県庁所在地と政令指定都市が対象。昨年1位だった静岡県浜松市は2位となり、宇都宮市が3年ぶりに首位を取り戻した。

1996年から2010年までの15年間、宇都宮市は餃子の支出額1位の座を守り続けていた。ところが、2011年と2012年は静岡県浜松市が1位に。危機感を抱いた市内の餃子関係店や商工会・観光関係者で結成されたのが「宇都宮餃子消費量 日本一奪還推進委員会」だった。

「餃子」と名のつくことは何でもやった

宇都宮餃子(246-Youさん撮影)
Canon Powershot S100 sample shot

まず、餃子店やクイズ、餃子誕生秘話などを伝えるウェブサイトを作成して、情報発信を開始する。ジャンヌ・ダルク的存在として、タレントの筑井美佑輝さんを「宇都宮餃子消費量日本一奪還アイドル」に起用、様々な餃子イベントに登場してもらう。地元商工会議所が開催するご当地検定では「利き餃子」の問題を出すなど、ユニークなニュースとして発信を続けた。

こうした活動に地元の企業や学校も呼応。栃木県内のある企業は、社員食堂で8200個の餃子を並べてモザイク画を作成し、マスコミの注目を集めた。作新学院高校のライフデザイン科3年1組の生徒たちは「餃子日本一奪還に貢献したい」という思いから、地元スーパーでチラシの配布や餃子販売に取り組んだ。

プロバスケットボールチーム「リンク栃木ブレックス」は、「ギョ!ギョ!ギョ!ギョーザダンス」なる踊りを考案。「さかなクンを彷彿とさせる」とツッコミを受けつつも、市のマスコット「ミヤリ-」と一緒にネットやイベントで披露した。

まさに「オール宇都宮」、市民の餃子消費が伸びないはずはない。2013年の宇都宮の年間支出額が4919円だったのに対し、浜松のそれは4155円。764円の大差を付けての1位だった。

1位を奪われた浜松の反応は?

3年ぶりに2位となった浜松市の鈴木康友市長は、マスコミ宛てに宇都宮を祝福するメッセージをFAXで流した。

「今回、宇都宮市が1位となったことは、東日本大震災以降、宇都宮市民の消費が順調に回復してきていることを示すものとして、良かったと思います。今後とも、2大消費地である宇都宮市と浜松市の両地域が中心となって、日本の餃子文化を盛り上げていければと考えます」
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