Ampaireのハイブリッド電動リージョナル航空機が初飛行
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【カマリロ(米カリフォルニア州)2022年11月19日PR Newswire=共同通信JBN】
*Eco Caravanは燃料消費と排ガスを減らし、サステナビリティー革命を先導
Ampaireの9人乗りリージョナル航空機「Eco Caravan」が19日、完全統合型ハイブリッド電動推進システムで初飛行を行った。Ampaireは、同航空機が商業運航(2024年に認証)される初の電動リージョナル航空機となり、持続可能な航空への移行を先導するAmpaireのハイブリッド電動航空機シリーズの第1弾になると考えている。
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AmpaireのKevin Noertker最高経営責任者(CEO)は「航空は、脱炭素化が最も困難な産業だ。完全電動航空機は、現世代のバッテリーの重量とエネルギー容量により航続距離が限られる。しかし、ハイブリッド電動航空機は、現在の航空機の航続距離と実用性を維持できる。当社が、リージョナル航空機の一連の能力向上でハイブリッド電動推進に注力しているのはそのためだ。これは航空業界にとって、より早く脱炭素化を実現し、運航コスト削減というメリットも得られる方法だ」と語った。
19日の画期的成果は、ここ数カ月間、主要な顧客やプログラム参加者を惹きつけてきたプログラムを勢いづけることになる。同社は10月、エールフランス・インダストリーズKLMエンジニアリング&メンテナンス(Air France Industries KLM Engineering and Maintenance、AFI KLM E&M)と、世界中での幅広いメンテナンスサービスおよびサポート業務で提携していくと発表。Ampaireは先月、持続可能なリージョナル航空技術に投資しているMONTEから、最大50機のEco Caravanも受注した。Noertker氏は「このような提携により、Ampaireの世界中の顧客は、ワールドクラスの整備・修理・オーバーホールのサポートとともに、説得力のある資金調達やリースのサポートを受けることができる」と語った。
「スムーズかつ静かな」初飛行
Eco Caravanは、標準的なセスナ・グランドキャラバンを、Ampaireの圧縮着火式エンジンと電動エンジンの統合推進システムでアップグレードしている。バッテリーパックを胴体フェアリングに搭載することで、乗客と荷物の収容力を維持している。
初飛行は、推進システムの初期チェックのために33分間行われた。テストパイロットのElliot Seguin氏が操縦するEco Caravanは、太平洋標準時間の午前7時49分にロサンゼルス北部のカマリロ空港を離陸した。機体は、内燃機関と電動エンジンを組み合わせたフルパワーで高度3500フィートまで上昇。Seguin氏はその後、スロットルを巡航設定に戻し、両出力源への負荷を軽減した。同氏は約20分間、温度などの測定値をチェックしながらさまざまな出力設定をテストし、低出力設定でカマリロに向け降下、最終進入態勢に入った。Seguin氏は「Eco Caravanの推進システムは、期待通りの性能を発揮した。スムーズかつ静かだった。温度や出力の測定値は全て正常だった」と語った。
SAFでネットゼロ・エミッション
Eco Caravanは、燃料消費と排ガスを最大70%減らす。持続可能な航空燃料(SAF)を使用すれば、排出量はほぼゼロである。航空会社の路線構成にもよるが、運航コストは25-40%削減される。使用可能な座席マイル当たりのコストは、車での移動コストに近い。
ハイブリッド電動航空機は、グランドキャラバンの航続距離・積載量をそのままに、8人乗りでグランドキャラバンより遠くまで飛行できる。最大航続距離は1000マイルを超える。Eco Caravanの航続距離と積載能力は、提案されているオール電動、水素電気、さらに他のハイブリッド電動設計機と比べても著しく対照的である。
Eco Caravanは、飛行中または地上の充電ステーションでバッテリーを充電できる。充電インフラは今後数年間は限られているため、地上での充電に依存しない運用ができることは、Eco Caravanの実用性をフルに発揮し続けるために極めて重要である。
初の新世代の持続可能な電動航空機
Eco Caravanの推進技術は拡張性が高く、より大型のリージョナル航空機や最終的には単通路の旅客機にも適用できる。Ampaireは、航空会社の運航の持続可能性を劇的に改善するビルディング・ブロック・アプローチに従い、より大型の航空機用のより強力な推進システムを迅速に市場展開する予定である。
Noertker氏は「当社は、Eco Caravanを誇りに思うと同時に、より大規模なハイブリッド電動推進システム、最終的には、エネルギー貯蔵技術の進歩に伴うゼロエミッション・システムへの第一歩だと考えている」と語った。
いち早く市場に参入
Ampaireは、Eco Caravanの認証を追加型式証明(STC)の形で2024年に取得するべく、米連邦航空局(FAA)と既に協力を進めている。Ampaireのアプローチは、時間と費用がかかるゼロからの航空機認証プログラムを必要としないという点で、他のアプローチと異なる。グランドキャラバンは既にFAAの認証を受けている。Ampaireは、新たな推進システムで飛行できることを証明するだけである。
Noertker氏は「ハイブリッド電動航空の立ち上げは簡単な仕事ではないが、当社は認証済みの機体をアップグレードすることで、より簡単に実現できた。当社は、より素早く市場に参入し、世界中の航空会社がこの新タイプの推進力の運用経験を積み始められるようにする。そして、航空各社と協力し、それぞれのネットワーク要件に応じた後続モデルへの取り組みを進めていく」と語った。
メディア注:初飛行のビデオは本日中に公開予定。www.ampaire.com/press
▽Ampaireについて
ロサンゼルスを拠点とするAmpaireは、実用的で魅力的な電動航空機の世界で最も信頼される開発者になることを使命として2016年に設立された。同社は、既存の旅客機をハイブリッド電動機にアップグレードしているが、これは利用可能な技術で商業的な電動航空を実現する最も迅速かつ資本効率の高い方法である。Ampaireは、2019年の技術テストベッド機「Electric EEL」の初飛行以来、ハイブリッド電動航空機の最長飛行(ロサンゼルスからウィスコンシン州オシュコシュまで1135法定マイルのルート)など、数々の業界初を記録してきた。Ampaireの詳細については、https://www.ampaire.com/ を参照。
▽Ampaire問い合わせ先
Jeff Miller
jeff.miller@ampaire.com
press@ampaire.com
ソース:Ampaire, Inc.