死を忘れない
2020.12.21 14:00
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第4回 死を忘れないことが生きることにつながる
うれしくない「更新」が続いています。12月17日、東京でのコロナ感染者数は一気に増えて822人。もはや桁が変わりそうな勢いです。「気をつけているのに、いっこうに収まらない」と不安になる人、「先行きがわからないから、やりたいようにやる」と投げやりになる人、さまざまでしょうが、たとえどのように過ごそうとも、私たちには逃れられないものー病気や死があります。
たしかに、病気は医学の発達によって、昔ほど怖れられてはいないのかもしれません。しかし、私たちは、いつの間にか死ですら怖れないようになっていたのではないでしょうか。
そもそも、人間は自分の髪の毛1本ですらつくることも出来ない存在です。死には格差はなく、平等に皆に訪れ、いつになるのかは誰にもわからない。聖書に、莫大な財産をしまう蔵を建て安心していたら翌日死んでしまう男の話もあります。
それなのに、死を遠いもののように考えていれば、今回のような事態に右往左往するのも致し方ないのかもしれません。本書『「今を生きる」そのために』の4章「死と向き合う、死を想う」では、自分の境遇に絶望しいのちを絶った女子高生や、自死を図りながらも生きていこうとする中年男性の話が語られ、「生」のために「死を忘れない」ことの重要性が説かれています。
自分も自分の大切な人たちもいつか「死」を迎えると認識することは、今日一日を丁寧に扱うことにつながる