看板持ちバイトの女子大学生に寄ってきたスポーツカー。運転手の男が窓から「これあげる」と渡したモノ(京都府・女性)
「寒そうだから...」
学生だった私は、これでお小遣い程度でも稼げるならと必死でした。
朝から立ち続け、疲れて看板を持つこともつらくなってきた午後3時頃、1台のスポーツカーが駐車場に入ってきました。
降りてきた細身で背の高い男性は、15分程度で店から出て、入口付近の自販機で飲み物を購入していました。
そんな何でもない光景を見ながら、私はひたすら看板を振っていました。
その時です。駐車場を出ようとした先程のスポーカーが、私に車体を寄せるように止まりました。運転席の窓が開き、男性が私に声をかけてきました。
「寒そうだからこれあげる。何もしてあげられないけど、頑張ってね!」
差し出されたのは、購入したばかりの温かい缶コーヒーでした。わたしが戸惑っているうちに、スポーツカーは走り去ってしまいました。
それをカイロ代わりにもうひとがんばりし、大阪の自宅に帰った午後7時頃でも、その温かさが残っていたのを、10年以上経った今でも覚えています。
一瞬のことで、顔も名前も分からなかったけど、その男性への感謝の気持ちは忘れていません。
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名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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