知らないうちに私の自転車を押していた男 後ろには大切な子が座っていた(東京都・70代女性)
急な坂道、必死に自転車をこいでも全然前に進んでくれない。
そんなとき「神技」と思えるような出来事が。
東京都在住の70代女性(投稿時)・Yさんの実体験。
<Yさんからのおたより>
娘の連れ合いが病気で亡くなり、孫の生活中心の日々がはじまりました。
保育園や小学校学童の終わる時間に合わせて自転車で迎えに行き、娘の帰宅時間に合わせて住まいに送る日々でした。隅田川を挟んで江東区と中央区の移動です。
孫が保育園に通っていたころはまだ小さかったので楽だったのですが、小学校になるとずっしりと重くなりました。60代だったからできたのかなと、今は思います。
その日は、学校からの帰り、自転車の後ろで孫が爆睡してしまいました。
中央区から隅田川大橋を渡り始める時が急な坂で、どんなに頑張っても進みません。孫は起こしても起きてくれません。
隅田川大橋を渡るたびに
その時、「神技」と思ってしまったのですが、自転車が進んだのです。
登りきったところで気がついたのですが、私と同年代の男性が自分の自転車を押しながら、私の自転車も押してくれていたのです。
ほっとしている私に、さりげなく「大変ですね。気をつけて」の言葉を残して行ってしまいました。
隅田川大橋を渡るたびにそのことを思い出します。
すっかり大きくなった孫と二人で橋を渡るときは、いつもその話をしています。
孫にも、さりげなく人を助けてあげられる大人になって欲しいと思っています。
あの時の男性に「本当にありがとうございました。おかげさまで元気に暮らしております」とお伝えしたいです。御礼も言えずに10年過ぎました。
【このコーナーでは読者のみなさんからの投稿を紹介しています】
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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