ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
グルメ
地域差・ランキング
ふるさと納税
絶景
いきもの

「こんな空間の宿が日本にもあったとは!」 兵庫・豊岡の〝泊まれる銀行建築〟に1.3万人魅了される

松葉 純一

松葉 純一

2025.06.29 10:30
0

「こんな空間の宿が日本にもあったとは!」――そんな歓声と共に紹介された場所が、X上で話題となっている。

「泊まれる文化財の世界『お宿図鑑』著者」(@rninopon)吉宮 晴紀さんの投稿より
「泊まれる文化財の世界『お宿図鑑』著者」(@rninopon)吉宮 晴紀さんの投稿より

広々とした吹き抜けのロビーや、クラッシックな窓が、重厚感のある落ち着いた雰囲気を漂わせている。

ここが宿なのか? どちらかと言えば、銀行のロビーのような......。そう感じた読者もいるかもしれない。

その直感、正解です。

リプライツリーの補足情報によれば、この〝宿〟は「TOYOOKA 1925 泊まれる銀行建築(1936年築)」。兵庫県豊岡市にあるホテルで、かつては「兵庫県農工銀行 豊岡支店」だった建物だ。

「ときを感じる お宿図鑑: スケッチで巡るレトロ建築ガイド」の著者である吉宮晴紀(@rninopon)さんがこのホテルを紹介したポストには1万3000件を超える「いいね」(6月27日時点)のほか、こんな声も寄せられている。

「おお美しい」
「贅沢な空間」
「このホテル大好き! 周辺も静か、部屋にテレビ・時計がなくて『静』を楽しめる」
「外観も素敵ですし、朝食も美味しかったです」

泊まれる銀行建築とは、いったい何なのか?  

Jタウンネット記者は、投稿者の吉宮晴紀さんと、「TOYOOKA1925」に話を聞いた。

泊まれる銀行建築で、味わう贅沢

吉宮さんは、〝泊まれる文化財〟についての情報を発信し続けている人物で、そんなスポットを集めた「時を感じる宿に泊まろう〜ときやど」の運営者でもある。

ときやど 吉宮 晴紀 ときを感じる お宿図鑑: スケッチで巡るレトロ建築ガイド

「TOYOOKA1925」については、その活動の中で知ったそうだ。

「泊まれる銀行建築は珍しいので、その興味もあって泊まりたいと思っていました」(吉宮さん)

念願が叶い宿泊したのは、2025年6月21日だった。豊岡に行くチャンスがなかなかなかったため、知ってから数年越しの実現だったという。

話題の写真については、「宿に着きゆっくり一休みしてドリンクを飲んでから、館内散策をしているときに撮った写真です。持て余し気味のホールでも椅子や机のある方だけを写したいと思って画角を決めました」と語る。

「泊まれる文化財の世界『お宿図鑑』著者」(@rninopon)吉宮 晴紀さんの投稿より
「泊まれる文化財の世界『お宿図鑑』著者」(@rninopon)吉宮 晴紀さんの投稿より

様々な〝泊まれる文化財〟を巡ってきた吉宮さんにとっても、銀行建築をリフォームしたホテルに宿泊するというのは、なかなか貴重な体験だったようだ。

「TOYOOKA1925」を運営する豊岡市の企業・CYCLEの中原大輔代表にも話を聞いたところ、「旧兵庫県農工銀行豊岡支店」は1925年に起きた北但大震災の後、町の復興再生のため建てられた「豊岡復興建築群」の一つ。1934年に建てられ、シンボル的な存在だったという。設計したのは、当時、関西を代表する建築家だった渡邊節氏。現在、国登録有形文化財にも登録されているそうだ。

そして、クラシックな雰囲気を色濃く遺した文化財の建築はいま、6室限定のブティックホテルとなって蘇っている。

「建物の管理は豊岡市、ホテルの運営は、民間で行っています」と、中原さんは語る。

「ホテル内の宿泊者様専用ゲストラウンジには、ビール、ウイスキーやジン、ラム酒、ウオッカ、焼酎など16種類以上のドリンクが用意されており、無料で楽しめます」(中原さん)
「泊まれる文化財の世界『お宿図鑑』著者」(@rninopon)吉宮 晴紀さんの投稿より
「泊まれる文化財の世界『お宿図鑑』著者」(@rninopon)吉宮 晴紀さんの投稿より

Xで宿を紹介した吉宮さんも、「カクテルを調合しやすい数種が置かれていたので、楽しめました。中でもカンパリソーダは2回飲みました」と話す。

昭和初期の名建物のホテルに宿泊し、フリードリンクをゆっくり愉しむ、こんな贅沢な時間が日本にもあったとは!

〒668-0033兵庫県豊岡市中央町11-22 TOYOOKA1925

画像は楽天トラベルより
画像は楽天トラベルより