「ほとんど人がいない駅前、駆け込んだ交番も無人。通り過ぎていく車に泣きながら助けを求めたら...」
病院の最寄り駅で降りたけれど...
自宅の最寄り駅は、父が入院していた病院の最寄り駅を1つ通りこした大きい駅でした。
そこにはタクシー乗り場があることもわかっていましたが、少しでも早く病院に駆けつけたかった私は、病院の最寄りの小さな駅で下車しました。
そして、すぐに後悔しました。
駅前にはタクシーどころか人もほとんど居なかったのです。交番に駆け込んでみても、そこも無人でした。

当時は携帯電話が普及し始めた頃で、今のような検索機能などもありません。
駅から病院までは2キロ近くあり、荷物を抱えて走っていくしかないのか、次の電車を待ってもう一駅進むか、困り果てていました。
そのとき、同じ駅で降りた女性を家族が車で迎えに来られて、私の横を通り過ぎていきました。
私は泣きながら「お願いします。待ってください」と頼んでいました。