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「読み」が苦手ならイラストで、「書き」が苦手なら歌で 子供たちの〝得意〟を伸ばすICT教材、全国に拡大中

井上 慧果

井上 慧果

2025.03.27 19:00
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実際の効果は...

説明会には、山形県寒河江市の教育委員会・布川真二さんが登壇。「まるぐランド」を導入している市内の小学校での実践事例について発表した。

スクリーンに映し出されるリモート参加の布川さん(画像は編集部撮影)
スクリーンに映し出されるリモート参加の布川さん(画像は編集部撮影)

寒河江市が「まるぐランド」の導入を始めたのは2023年度。2024年度は2~4年生は全員、5・6年生は希望する特別支援学級で活用された。布川さんは、すでに様々な〝効果〟を実感していると述べる。学校現場からは、こんな声が届いているという。

「板書を見て書くのが苦手な子が、耳で覚える力が高いことが分かり、教師の範読をノートに取ることができた」
「クラスの中で学力の高い子どもが、記憶力に配慮が必要だという結果が出て、新たな気付きを得ることができた」
「これまで、全員に同じタイミング、同じ成果を求めていたが、その子なりのペース、結果、振り返りで学習を進めていくことのよさを実感できた」

まるぐランドではまず最初に、認知特性と読み書きのチェックテストを約30分かけて行う。それに基づき、細かい適性まで考慮した上で、個別最適化されたレッスンを自動で提案するのだという。

たとえば、目で見た情報を処理するのが得意な「視覚優位」で漢字の読みが苦手な児童の場合は、例文とイラストをセットで漢字を学習する。聞いた音の情報を処理するのが得意な「聴覚優位」で漢字の書きが苦手な児童であれば、部品を意識する〝おぼえうた〟で漢字を学習する、といった具合だ。

また、児童たちの小さな「できた」を褒められるような情報提供・指導サポートも先生向けに行われている。

「まるぐランド for school」に続いてfor homeもリリース(画像は編集部撮影)
「まるぐランド for school」に続いてfor homeもリリース(画像は編集部撮影)

まるぐランドは、寒河江市の他にも、東京都江戸川区や埼玉県鴻巣市、熊本県天草市など複数の自治体で導入されている。ベネッセの広報担当者によれば、2024年度の導入自治体数は、前年度の1.8倍に増えているとのことだ。

また、ベネッセでは25年4月より、通信制サポート校「ベネッセ高等学院」を開校。ここでも、ICTを活用し、小中学校の勉強で不安が残る箇所をやり直せる「進研ゼミ√Route Be」やオンラインで全国に友達が作れる「バーチャルキャンパス」など様々な専用教材を導入予定だ。

ベネッセ高等学院の上木原孝伸学院長(画像は編集部撮影)
ベネッセ高等学院の上木原孝伸学院長(画像は編集部撮影)

それぞれの特性を理解した上で、〝得意〟を伸ばし、やりたいことを見つける手助けをする。

そんなベネッセの取り組みは、これからの時代、ますます広がっていくことだろう。