「雪道で座り込んだ5歳息子。私と夫が抱っこできずにいると、通りすがりの青年が『お子さんが可哀想ですから』と...」(東京都・30代女性)
東京都在住の30代女性・イトウさんは年末が近づくと、2019年の大晦日のことを思い出す。
その年の年末、彼女は夫と息子と一緒にスキー旅行で新潟に滞在していた。
宿へ向かう雪道を3人で歩いていると、まだ幼い息子がその場で座り込んでしまって......。
<イトウさんからのお便り>
この時期になると、2019年の大晦日のことを毎年思い出します。
私と夫、そして当時5歳の息子の3人は、スキーをしに新潟県南魚沼市を訪れていました。
ガーラ湯沢駅から宿泊先のガーデンヴィラ石打までは徒歩10分ほど。3人で17号線を歩いて向かうことにしました。
私と夫は雪国出身なので、なんなく歩いていましたが、東京育ちの5歳の息子は慣れない雪道に悪戦苦闘。途中で座り込んでしまって......。
荷物が多くて抱っこもできず...
私も夫も大きなボストンバッグを抱えており、息子を抱っこできず途方に暮れてしまいました。
すると、一台のワンボックス車が私たちの横で止まったのです。
「乗っていきますか?」
窓から顔を出して、そう声をかけてくださったのは若い男性でした。
最初、私たちは「ちょっと休めばまた歩けますので」とお断りしたのですが、息子が「乗りたい乗りたい!」と言い出します。
ドライバーの男性も「お子さんも可哀想ですから乗ってください」と車のドアを開けてくださったので、お言葉に甘えて乗せていただくことに。
ほんの2~3分で宿に到着し、入口ギリギリまで車を寄せて、私たちを降ろしてくださいました。
後部座席はビショビショに
雪だらけのズボンで後部座席をビショビショにしてしまっていたので拭こうとしましたが、ドライバーの男性は
「いいですよ、そのうち乾くので」
と仰って去って行かれました。私と夫はひたすらお礼を言うばかりで、「連絡先くらい聞いておけば良かったね、ちゃんと感謝のメールなり送りたかったね」と後から思い、と今でも後悔しています。
覚えていることといえば、黒いワンボックス車で新潟ナンバー、茶髪の若い男性だったということだけです。
もうすぐ10歳になる息子は、正月に帰省するたびに雪に親しみ、今では雪遊びが大好きになりました。
もう一度あの若いお兄さんに「あの時はありがとう」と伝えたいです。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
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