不思議なバスの訪れをずっとずっと待っていたい 六地蔵が見守るバス停があまりにも〝完璧〟
心に響く「六地蔵」
いったいどこ? という声がしきりにあがっていたこの停留所は、千葉県鴨川市大幡、長狭(ながさ)街道(千葉県道34号線鴨川保田線)上にある、日東交通長狭線のバス停「六地蔵」だとキャプテン村社さんは教えてくれた。
「この辺はとても好きなエリアで、ここ数年何度も訪れています。
田んぼで言えば大山千枚田が有名ですが、長狭平野一帯に広がる田園地帯はどこを切り取っても絵になる光景です。このバス停は数年前に見つけて、とても印象に残っていました」
大山千枚田は「日本の棚田百選」にも選ばれた景勝地。そして、バス停「六地蔵」はそこから徒歩30分ほどの場所だ。
撮影したのは、5月18日16時過ぎ。"安房の三名工"の一人で「波を彫らせたら天下一」と謳われた江戸時代の彫物師・波の伊八(武志伊八郎信由)の没後200年記念イベントで大山公民館に寄った帰りだったという。
「田んぼの際に野仏が立っている風景は、なかなか心に響くものがありますが、これを目印にバス停を設置してあるのも良いですね。古い信仰の身近さと現代の営みが並んでいて愛おしさを感じます」(「キャプテン村社」さん)
Jタウンネット記者は、この六地蔵の由来について、鴨川市役所に問い合わせてみた。
郷土資料館の学芸員は、「この六地蔵には何の記録もなく、残念ながら詳しいことは分かりません。地元の人々に長く伝承され、信仰されてきたものでしょう」と答える。
バス停近くには、大山千枚田の他にも、前出の名工・波の伊八が手掛けた竜の欄間が飾られている大山不動尊(車で10分強)、無印良品が運営する都市と農村の交流拠点「里のMUJI みんなみの里」(車で5分程度)など、観光施設もあるそうだ。長狭街道沿いには、古民家カフェもあるらしい。
南房総を訪れたら、ちょっと「六地蔵」に立ち寄ってみてはいかがだろう。