茨城・竜神峡の空に1000匹の鯉が舞う! 大吊り橋と並んで泳ぐ〝群れ〟が生まれた意外な理由
「鯉の滝登り」ということわざがある。
激しい流れの滝を泳いで登りきった鯉は竜になれる、という中国の故事が由来で、転じて「出世する」「栄達」といった意味を持つ言葉だ。
ところで、この季節の鯉と言えばやっぱり、端午の節句の鯉のぼり。茨城県ではまさに「鯉の滝登り」を連想させるイベントが開催される。
その名も、「竜神峡鯉のぼりまつり」。
舞台となるのは、常陸太田市の竜神大吊橋だ。奥久慈県立自然公園の竜神峡にある竜神ダム上空にかかる橋である。
公式サイトによれば橋の長さは375メートルに及び、これは歩行者専用のものとしては日本最大級の長さ。橋の両側にある壁面には龍の絵が描かれ、橋はその大自然の空間を舞い上がる竜を想起させるとのこと。
毎年4月下旬~5月中旬にかけて、その長い吊り橋を中心とした竜神峡一帯におよそ1000匹の鯉のぼりが掲げられる、という大スケールな行事なのだ。
「竜」と名前が付く土地で、龍のような橋と並んで、「鯉」が空を飛ぶ......近くにあるのは滝ではなくダムだが、まさに「鯉の滝登り」を思わせるシチュエーションではないだろうか。
それにしても、どうしてこのような場所で鯉のぼりを飾るようになったのだろうか。その由来を知るため、Jタウンネット記者は22日、常陸太田市に詳しい話を聞いた。