看板犬の「お見送り」まで付いて素泊まり3500円 格安だけど豊かな温泉宿が青森にあった
犬たちに会いたい人は事前に連絡を
温泉民宿「南部屋」のご主人は田村暁(さとる)さん。
大学時代にバックパッカーとして世界各地を旅行し、卒業後、海外秘境系旅行会社に就職した。そこで秘境ツアーの企画・添乗員として活躍していたというが、あるとき温泉宿を経営しようと決意。温泉付きの物件を探して、2016年に温泉付き民宿を前オーナーから譲り受けた。
母屋は、大正期に建てられた古民家。築100年を超える建物を、居抜きでそっくり引き継いだ。「古いものをそのまま残したい」と、浴室を青森県産ヒバで改修した以外は、ほとんど以前のままだという。
「テレビもない、Wi-Fiもつながらない、便利なものは何もない。料金が安い代わりに、不便ですよ」と、利用者には事前に断っていると、田村さんは笑う。

2匹の看板犬(茶色のリュック、白のクララ)は、2016年の開業以来共に暮らしている。SNSに犬を登場させるようになったきっかけは、「コロナで暇だったから(笑)」と田村さん。犬好きな人からの反応が徐々に増えて、「ワンちゃんに会いたい」というお客さんも現れるようになってきた。

ただ、田村さんは付け加える。
「ワンちゃんは常にいるわけではありませんので......」
南部屋のアカウントのトップに固定された投稿にも「看板犬は常には館内に居ず」「日帰りで確実に2匹に会いたい方は必ず事前電話」と記載されている。
ということで、会いたい人はアポを取ってから訪れよう。