花粉症という「理不尽」に楽しく立ち向かうために... とあるデザインエンジニアが開発した「点鼻薬ホルダー」が便利でカッコイイ
襲いくる「理不尽」に、道具の力で楽しく向き合う
ねびさんはデザインエンジニアとして、医療機器や車いすを開発している。病気や障害のために手足を動かすことに困難を抱える人々と接し、彼らにとって必要な道具を手掛けているのだ。
例えば、義手や義足。これらは「障害の象徴」のように見られがちだという。
しかし、それがカッコ良いものならば、使用者の性格すら前向きにしうる、とねびさんは日々感じている。
「そういった皆さんが携える困難と比べると花粉症というのはだいぶ軽いですが、ひとつの理不尽な困難と思います。ただ生きているだけで鼻や目から水が止められず、腫れた鼻腔は私の呼吸すら邪魔してくるのですから」(ねびさん)
――そんな理不尽に、道具の力で少しでも楽しく向き合えないだろうか。薬を使用していることで周囲に心配をかけるだけでなく、ポジティブな姿勢で見てもらえないだろうか。ありふれた薬で、無敵になれやしないか。
カッコいい「専用ホルダー」は、そんな考えに基づいて生み出されたそうだ。

自宅の3Dプリンターを使いアイデアを実現してみた結果は「大成功」。ホルダーに格納した途端、点鼻薬は点鼻薬らしからぬ存在感を放ち始め、見失わなくなった。カバンにつないでおけるというのも、紛失予防に大きな効果を発揮しているそう。そして「道具の力で少しでも楽しく理不尽に向き合う」という目的も、達成されているようだ。
「単純にボトルを当てがって押し込むと固定され、反対から押すと取り出せる簡単操作が作れたのですが、この操作の感触がまた気持ちよく、まるで拳銃に弾をこめるよう。
無意味に出したり入れたりしています。客観的にはただのハナタレのくせに」(ねびさん)
ところで、専用ホルダーの開発以降、ねびさんは様々な種類の点鼻薬を買い集めているという。
というのも、投稿を見たユーザーから、「自分の使っている点鼻薬でも作れないか」といったコメントが寄せられたからだ。自分で使う予定はないが、採寸用に購入し、ホルダーを設計中とのこと。
「点鼻薬にまつわる皆さんの困難に少しでも前向きな光がさせるのかもしれないと、こちらも力が漲るようです」
と、ねびさん。メルカリやBOOTHで販売したところ、早速購入者も現れたそうだ。気になる人は覗いてみては?
2024年3月4日18時33分編集部追記;記事初出時、本文に誤字があったため修正しました。
鼻づまりスプレーの容器が見せ方によってはカッコいいんじゃないか?と思って作った専用ホルダー、同僚が気づいてくれた。とっても嬉しいぞ。 pic.twitter.com/EUVm0FValo
— ねξび (@nevi34x) February 27, 2024