大阪からの旅行者が体験した「冬の札幌の温かさ」 届け、あの時の「ありがとう」
音がして振り返ると...
振り返ると、母がマンホールの周りに出来ていた氷に足を滑らせ、転んでいました。
「大丈夫?」と立ち上がらせようとしましたが、「足が動かない」と言います。焦った母は、通行の邪魔になるからと這いながら端へ移動。何が起こっているのか、私には分かりませんでした。
救急車を呼ぶしかないと思い119番通報しましたが、住所を聞かれても旅行先のため分からず、あたふた。すると、すぐに横断歩道の向こうから若いお兄さんが駆けつけ、こう教えてくれました。
「すすきのの赤い鬼さんの前って言ったら分かるから!」
その通り告げると、救急隊の人は「分かりました、すぐに向かいます」と来てくれることになりました。

ところで、この時に駆けつけてくれたお兄さんは実は、居酒屋のビラ配りをしていた人でした。
母が転倒する直前、横断歩道で配っていた時、私は彼に冷たく「結構です」と返答していて、「こんなにすぐに駆けつけ、助けてくれた人になんて冷たい言い方をしてしまったんやろ......」と反省しました。