「空いている電車で幼い娘が泣き出した。『皆さんに迷惑よ!必死になって泣き止ませなさい!』と言われ、育児に自信がなかった私は...」(東京都・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Kさん(東京都・30代女性)
Kさんの娘がまだ赤ちゃんだった5年前のこと。Kさんは娘と、自分の母親と3人で電車に乗った。
彼女の母親は心配性で、電車で赤ちゃんが泣きだすと......。
<Kさんの体験談>
娘が赤ちゃんの頃の話です。
当時の私は、育児にまったく自信がなく、何をどうしたら良いのか分からずいつもアタフタしていました。
「皆睨んでるわよ」
ある日、心配症の母と電車で出かけている最中に、娘が泣き出してしまいました。
車内は空いていましたが、母が慌てて「皆さんに迷惑よ!必死になって泣き止ませなさい!」。
さらに「あのね、世間のおじさん達は赤ちゃんなんて大嫌いなの。皆睨んでるわよ」と続けました。
私はすっかり怖くなってしまい、それから娘と出かけるのを控えるようになりました。
しかし、それから何か月か経った頃、どうしても娘を連れて銀行に行かなければならなくなりました。
電車での一件があり、外出が怖くなっていましたが、仕方なくベビーカーに娘を乗せて外出。
狭い店舗で、他のお客さんに頭を下げながら手続きをしていると......強面のおじさんがギロリとこちらを見てきます。
「おう、親指うまいか?」
「ああ、やっぱり母の言う通りなんだな......」とビクビクしていると、おじさんがベビーカーの娘を覗き込みました。そして、こう話しかけてきたのです。
「おう、親指うまいか?」
親指をしゃぶっていた娘は嬉しそうに笑い、おじさんもニコニコ笑ってくださいました。
世間は思っていたように怖いものではない。
それに気づかせてくださった、あの時のおじさんに、今も感謝しています。
ありがとうございました。
あれから5年経ち、娘もすっかりお姉さんになりました。
5年の間に、たくさんの方に助けていただき、私も自信をもって子育てできるようになりました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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