名店の味を敢えての「ジャンク」化 背脂塗れ「一風堂豚骨ヌードル」のコスパがエグい
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百二十五回 セブンプレミアム「名店ジャンク 一風堂 豚骨ヌードル
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百二十五回目となる今回は、セブン&アイグループのプライベートブランド、セブンプレミアムのカップ麺「名店ジャンク 一風堂 豚骨ヌードル」をレビューします。
以前レビューした「名店ジャンク」の第2弾です。
福岡の名店「一風堂」は名店再現系カップ麺の元祖
「博多一風堂」は、福岡に本店があり、全国に店舗展開する豚骨ラーメン店。
「新横浜ラーメン博物館」の創業メンバーであり、テレビなどのメディアでも多く取り上げられ、全国的な知名度を誇ります。
カップ麺としても、セブン-イレブン&日清食品から2000年に発売された商品は、「すみれ」カップ麺とともに名店再現系の元祖として知られ、現在も「セブンプレミアムゴールド」の商品として店頭に並んでいます。
セブンプレミアムゴールドの「博多一風堂」カップ麺のレビューはこちら。
「セブンプレミアムゴールド」のカップ麺は300円超えのどんぶり型カップの商品ですが、「名店ジャンク」はカップヌードルと同じタテ型カップで価格も税込213円と比較的安価。
「セブンプレミアムゴールド」どころか「カップヌードル」より安価です。
セブンプレミアム「名店ジャンク 一風堂 豚骨ヌードル」の内容物
内容物は、別添袋「焦がしラードオイル」ひとつ。カップには麺の他にスープ粉末やかやくが入っていました。白い粒は背脂。粉末がかなり多く、スープの味に期待が持てそうです。
麺量は60グラムで「カップヌードル」シリーズの多くや「名店ジャンク すみれ」と同じ量。今回もカップの形状や内容量が「カップヌードル」とよく似ています。
焦がしラードと背脂でジャンキーなスープ
具は肉そぼろ、ネギなど。少なく見えるのでちょっと寂しく映りますが、よく見ると背脂がたくさん入っていて賑やか。
スープは、お店の基本味である「白丸元味」の味をベースに、焦がしラードや背脂を加えています。豚骨は濃厚で粉っぽさが感じられ、焦がしラードの油感や香ばしさによって「名店ジャンク」の商品名通りにジャンキーな味。
麺量に比して量が少なく、さらに時間経過で麺がスープを吸っていくため、どんどんドロドロで濃縮感が強くなっていきます。味だけではなく形状もジャンキーでした。
この"半スープ・半汁なし麺"のような形状は「一風堂」とはもはや別物ではないでしょうか。
スープが少ないので、大量に入っている背脂加工品も、スープに浮くというよりは麺にまみれている状態。スープの濃厚感をさらに高めていました。
ジャンクさを追求したような麺
麺は、中細で縮れのついた油揚げ麺。形状はカップヌードルの麺に近いですが、いつもより色味が白いので多少豚骨ラーメンの雰囲気が感じられます。
スープをよく吸いあっという間に麺とスープが渾然一体化することで、ドロドロな形状に変化。「カップヌードル」のような油揚げ麺の風味もあり、「セブンプレミアムゴールド」カップ麺がお店の味を追求して本格志向なのとは真逆の、カップ麺らしいジャンクさを追求している印象を受けました。
具は少なめ
具を詳しく見ていくと、肉そぼろ、背脂加工品、ネギ、揚げネギ、紅生姜。揚げネギや紅生姜は視認が難しいレベルで小さいです。
麺やスープと同化してしまう背脂加工品を除くと具の量は少なめ。カップの大きさや内容量など「カップヌードル」とは似通った部分が多かったですが、具は似ていません。
全体的にあまり存在感はないものの、その中では揚げネギの風味が目立っており、スープの焦がしラードと共鳴して香ばしさを際立たせていました。見た目にはほとんど存在感ないですけどね。
コスパも見逃せない
「一風堂」の商品ながら、お店の味を再現するよりもカップ麺らしくジャンキーな味わいに仕上げることに主眼が置かれており、濃縮感の強いドロドロで濃いスープ、焦がしラード、背脂、スープをよく吸う麺など、徹底的にジャンクに振った一杯でした。「一風堂」の味とはもはや別物です。
安価なことも見逃せないポイントで、これだけ徹底的にジャンクながら、「セブンプレミアムゴールド」はもちろん、カップヌードルより安く買えてしまうのはコスパ抜群。
次の「名店ジャンク」ではどの店の味がジャンクになるのか楽しみです。