これも「お雑煮」…だと シンプル極めた島根・出雲雑煮は地味〜に見えて高貴な味わい
かつて都にも献上された最高級食材

こんなにシンプルなお雑煮、アリなのか。
何故か不安を感じつつ口に運ぶと、さわやかで心地よい香りが一瞬にして広がった。岩海苔由来のそれは大海原を想像させ、東京のビルの一室にいるとは思えないほどの解放感に包まれる。

会場の資料によると、出雲雑煮に使われているのは十六島(うっぷるい)海苔。島根半島西部の海岸に突き出した岬・十六島で獲れる希少な岩海苔だ。古くは、最高級の岩海苔として都に献上されていたんだとか。
出雲雑煮という食べ物が成り立つのは、この海苔だからこそ、なのかもしれない。
シンプルだけれども非常に豊かな、衝撃体験であった。