地元民「もう少し手加減して」 初雪なのに積雪50センチ超え...北海道・幌加内で「降りすぎ案件」発生中
2023年11月12日――北日本各地で初雪が観測された日の翌朝、X(ツイッター)に次のような動画が投稿され、話題となった。
一面の雪。しかも相当に積もっている。雪かき用のスコップが1本あるが、なんともこころもとない。除雪作業、大丈夫かな?
こちらは、北海道北部に位置する幌加内町の「そば処霧立亭の中の人 山本」(@kiritatitei)さんが投稿したポスト。2600件を超える「いいね」(15日朝時点)のほか、ユーザーからはこんな感想が寄せられている。
「ついにやって来ましたね。来るものが」
「さすが道北 ハンパないですね。雪かきがんばってください」
「幌加内、いきなり、きましたね。凄い綺麗なパウダースノーですね!」
「幌加内はもうこんなに積もったのか... これから半年厳寒との闘いだなぁ... ご自愛ください」
「これから春雪が溶けるまでの格闘ですね。ぼちぼちいきましょう」
幌加内町は道内有数の豪雪地帯として有名らしい。撮影当時はいったいどんな状況だったのか?
Jタウンネット記者は14日、投稿者の「そば処霧立亭の中の人 山本」さんに詳しい話を聞いてみた。
「もう少し手加減して降ってくれ」
山本さんによると、動画は11月12日朝8時半ごろ撮影したものだという。そのときの積雪は50センチほど。
「初雪としてはかなり多い方でしたが、たまにあるので、驚きではありませんが、もう少し手加減して降ってくれたら嬉しいと思います」(山本さん)
50センチの積雪......首都圏だったら、どうなるか、想像するだけでも怖い。それが、初雪からやってくるとは、いやはや。
除雪作業で大変だったことを聞いてみると、「湿った雪なので、まだ降り始めで重たいので、機械が使いづらいし、腰が痛い」と答えた。
ちなみに、同町での積雪は例年、3メートルにも及ぶそう。今はまだまだ序の口に過ぎないらしい。だがそれでも、動画撮影時の雪の様子について山本さんは
「降りすぎですよね(笑)。ただただ、降りすぎだと思ってます(笑)」
とコメントしている。
雪と蕎麦の深い関係
ところで、そんな幌加内町は、ソバ生産量日本一のまちだ。町の公式サイトによると、栽培から調整、保存、加工まであらゆる工程でこだわっており、複数の専門設備がある。
例えば、乾燥調製施設「そば日本一の館」と「そば日本一の牙城」、そばむき実加工工場「そばの実工房」。
そして、そばの品質を低下させずに保管する穀物専用の多目的倉庫「雪乃御殿」。幌加内町の豊富な雪資源を活用した、利雪型低温倉庫だという。
雪が降りすぎることと、おいしいそばには、深いかかわりがあるというワケだ。
動画の投稿者・山本さんの働く霧立亭でも、地元産の原材料を使い、自家製粉をしたそば粉を用いて打ち立ての二八そばを提供している。
「生産者から調整加工製品になるまで、農協から私たちお店までが明確に流通経路がわかっているので、蕎麦の品質の状況を見ながらこだわって作ることができるのかなと思います」(山本さん)
おすすめは、「そばかま天そば」。プチプチした食感で、そばのみを蒸したものが入っている。「普通のかまぼことは若干食感が違って喜んでいただいてます」とのこと。
色んな人の、様々なこだわりが詰まった蕎麦。いつか食してみたい。