福井市が市民に謎要求「油揚げの気持ちを想像して」 その真意に迫る
※油揚げの気持ちを想像してから記事を読んでください。
2023年10月25日、そんな書き出しで始まるプレスリリースを福井市が発表した。
10月29日から行われる「『福井』を語るパフォーマンスワークショップ」というイベントへの参加を募るものだ。
イベントの告知画像には手足が生え、顔が付いた油揚げが描かれており、こう呼びかけている。
「ぼくになりきってぼくのことをかたってね!」
福井市は、油揚げの購入金額が日本一の街。それも、1963年以降、60年連続だ。だからと言って、油揚げに「なりきる」って、なんだ!?
プレスリリースには油揚げになりきる理由も狙いも意図も意味も書かれていない。Jタウンネット記者は26日、ワークショップを主催するNPO法人福井芸術・文化フォーラム(福井県福井市)に詳細を聞いた。
油揚げになりきる意味とは
なぜ油揚げの気持ちにならないといけないのか。取材に応じた事務局の荒川裕子さんは、こう説明した。
「なんの意味もありません」
しかも、必ずしも油揚げになり切る必要もないという。
ガッターーーーン! 椅子ごとコケてしまいたい衝動に駆られる。
そんな気持ちを抑えて、イベントの詳細を聞く。荒川さんによると「『福井』を語るパフォーマンスワークショップ」の目的は「語り」というパフォーマンスに触れてもらうこと。「語り」は朗読や語り部とは異なるパフォーマンスで、リズムや間、身振り手振りや道具や衣装など様々な手段を用いて、聞き手を飽きさせないように語るものだという。
しかし、ただ「語りのパフォーマンス」というだけでは内容が分かりづらいため、ワークショップで何を行うのか想像しやすくするために、1つの例として油揚げ挙げているのだという。
「様々なパフォーマンスの仕方がある中で、『油揚げの気持ちになりきって福井を語る』やり方もあると例えとして福井の人になじみ深い油揚げを挙げてみました」(荒川さん)
べつに、越前ガニになりきってもいいし、サバでも恐竜でもいい。「自分自身」として語っても、構わないそう。
10月29日に行われるワークショップの第1回では、語りのパフォーマンスとは何かを、福井を拠点に活動する「人形劇団とんと」代表の前田耕一さんが講師となって教えてくれるので、「興味がある人は気軽に参加してほしい」と荒川さんはアピールした。
「『福井』を語るパフォーマンスワークショップ」は、10月29日、11月19日、12月3日・17日・24日の全5回。福井市民福祉会館「フェニックス・プラザ」内で行われる。全日程への参加が難しい場合は、オンラインでの個人練習も予定(要事前相談)。
ワークショップの成果は24年2月23日、3月30日に田原町ミューズで発表するほか、希望者には北陸新幹線の開業イベントでもパフォーマンスを行えるチャンスが。
参加希望者は、福井芸術・文化フォーラムの公式サイトのフォームか、事務局に電話してご応募を。参加費無料、定員5組(個人またはグループ)。