完璧なのに物足りない!? 「銚子電鉄×夢グループ」コラボ動画、プロトタイプに潜む課題【エピソード4:疑念の熟練刑事編】
感無量の映像化だった、けれど...
A氏が台本を送ると、その数日後、完成した動画が返ってきた。動きが速い。
しかも、9月20日に発表されたものと、ほぼ同じ内容だったという。

それは、台本を書いた張本人であるA氏ですら笑ってしまう出来栄えだった。
ちょうし→でんてつ→こまわり↓テガタア↑さすが本家の発音は違う。起承転結がきれいに決まっている。
さーらーにー、シナリオにはないぬれ煎餅をほおばる石田社長の特典映像付きである。そして、「いえいえ高くはありません。」の時の高速で動く右手に添えられた左手。完璧である。思わず、「私の脳内シュミレーションが実写化され感無量です」と御礼のメールを打った。
しかし、これでめでたし――とはいかなかった。
感無量だったはずのA氏だが、あまりにも事が上手く運びすぎていて、何か重大なことを忘れている気がしてならない。何かが物足りない。一体、何が足りないというのか。

この時A氏は「犯人が意外に早く見つかっちゃってみんな喜んでるケド、どうもしっくりこないと独り疑念をぬぐえない熟練刑事」の感情になっていた。刑事ドラマでよく見るやつである。
刑事が現場に戻るように、A氏も原点に立ち返る。「夢ポータブル多機能プレーヤー」のCMを数十回見直し、銚子電鉄バージョンと比べ......原因を突き止めた。
足りないのは、「あの人」だった。
【エピソード5へ続く】