「復習してないと『帰れ!』『立っとけ!』とチョークを飛ばす怖い先生。高校卒業後に手紙を送ると、彼の妻から返事が届き...」(大阪府・40代女性)
卒業後も、化学のノートは捨てられず...
生徒の中では賛否両論だったが、先生のお陰で私自身はセンター試験の化学は安定の高得点。何とか志望大学に入れた。ノート作りの指導も上手かったので、高校卒業後もびっしりと書き込んだ化学のノートは何となく捨てられず、大切に保管していた。
大学卒業後、新たな夢ができ「もう一度大学に行きたい」とまさかの2度目の大学受験を志した時、そのノートが役に立つことになった。2度目の大学受験でも化学は安定の得点源となり、志望大学に合格。ブランクがありながらも受験を突破し、夢を叶えることができたのは、やはり先生のお陰だ。
先生はいつも、「自分は勉強せずに苦労してきた。君たちはしっかり勉強しろ。やればできる」と、コツコツ復習することの大切さを教えてくれた。受験後、どうしても御礼を伝えたい気持ちが湧き、迷った末に高校に連絡先を聞いて先生のご自宅に電話を入れた。
先生の妻が電話に出て、「今、本人は入院していて...。御礼はお伝えしておきますね」と言われたので、改めてお手紙を送った。どうしても、先生に直接、心からの御礼を伝えたかった。
後日、先生の妻から丁寧なお返事が届いた。こう書かれていた。
「お手紙が着いた日は、主人の告別式の日でした。お手紙をお棺の中にお納めしました。喜んでくれていると思います」