心身ともに疲れて実家に帰ったら... とある漫画家を救った「がんこな母」の意外な行動にホロリ
生きていれば、身体も心も疲れ切ってしまうこともあるだろう。
X(ツイッター)上で注目を浴びている漫画「ボロボロで帰省したとき、お母さんに救われた話」は、まさにそんなときの体験を描いている。
作者は漫画家の望月哲門(@Tetsuto1319)さん。 望月さんは社会人1年目の頃、悩むことがいくつも重なり、疲れ切っていたという。
「おれって一体、何なんだっけ...」
望月さんは、子供の頃から人一倍に楽観的に生きてきた。だからこそ、悩みは彼を深くむしばんでいった。
気付けば休日にベッドから出ることもできなくなっていて......。
疲れ切って実家に帰省→数日後「親戚の家に行く」と言われて
心身ともにボロボロだった望月さんは、連休中に帰省することにした。家に着くなり、母親に
「あんたちょっと顔痩せたんじゃない?」
なんて言われたという。
友達と遊ぶ気力もなく、誰にも告げずにやってきた地元。不思議とよく眠れる実家で過ごす時間。
そして数日が経ち、母親がある提案をしてきたという。
「今日は親戚の家行くよー」
そう言われ、望月さんはギクッとしてしまう。 「仕事はどうだ?」「彼女はいるのか?」――行けば、親戚からいろいろ聞かれるだろう。それに対し、「親戚の子ども」としての正しいふるまいをしなければならない。
べつに、親戚のことが嫌いなわけじゃない。ただ、そんな体力がこれっぽっちも残っていなかった。
「ごめん...ちょっと疲れてて...家にいたい」
望月さんは母親にそう言った。「がんこ」なタイプだという母と、口論になるのも覚悟の上だった。
「がんこ」な母は、意外なほどに「あっさり」と
しかし母親は、望月さんのことをじーっと見つめたあと、こう言ってくれた。
「うん。分かった」
「お母さん一人で行ってくるね」
そして、予想外のことにビックリする望月さんを家に残して、本当に一人で行ってしまったのだという。
望月さんの記憶では、母親があっさり引き下がったことなど、それまでなかった。だから、彼は思った。
「もしかしたら全部わかっていたのかもしれない」
誰かの「ふつう」を支える人に
「弱った時、ただその場に居させてくれる場所があるのはなんて幸せなことなんだろう」
息子がつらい状況にあることを気付き、無理をさせないようにする。だからと言って干渉しすぎることもなく、そっとしておく。母のそんな優しさに、疲れ切っていた望月さんは救われた。
あの時の母のように、自分も弱った人の「ふつう」を支えられるようになりたい、と思う望月さん。
彼の実家での体験に、ユーザーからは次のような声が寄せられている。
「余計なことせずに支えられるこんな母になりたい」
「何かを『する』ことより『しない』ことの方が有難い時あるよね」
「わかるな。いさせてくれる、これ以上の実家はないな」