おたる水族館、敷地内に「勝手にいる」生き物をグッズ化してしまう どういう発想?担当者に聞くと...「彼らも仲間」
水族館や動物園で、野生の鳥などを見かけることが時折ある。
彼らは当然、飼育されているわけではないのだが......ある水族館がそんな生き物たちを「グッズ」にし、話題になった。
「ウミネコ」に「オオセグロカモメ」、「ハシボソガラス」。可愛らしいイラストのハンドタオルだが、その商品名にはどれも
(勝手にいます)
との注釈がつけられている。勝手にいるのに、グッズに......?
このミニハンドタオルは2023年8月5日、X(ツイッター)ユーザーの頻子(@_hnkhnk)さんが
「おたる水族館のグッズ、水族館に勝手にいる生き物が勝手にグッズ化されてる」
と投稿したことをきっかけに注目されたもの。
頻子さんの投稿には5万7000件を超える「いいね」(31日夕時点)のほか、
「家賃くらいは稼いでもらう!みたいな?」
「『勝手にいます。』のインパクトw」
「好きすぎるwww」
「さすが俺たちのおたる水族館」
といった反応が寄せられている。
投稿者の頻子さんも、Jタウンネット記者の取材に対し「きっと日々苦労をされていると思うのですが、イラストが妙にふてぶてしくも可愛らしく、生き物として愛されているんだなあ......と思いました」と語っていた。
勝手にいるけど「仲間」
いったいどうして、「勝手にいる」ヤツらを、グッズに?
Jタウンネット記者は28日、おたる水族館(北海道小樽市)・総務部営業課のショップ担当者に話を聞いた。
今回話題となったミニハンドタオルの「勝手にいます」シリーズが販売開始されたのは2020年1月。だが、オリジナルミニタオル自体は10年以上前から、飼育している生き物のデザインで販売しているという。
「毎年、少しずつ種類を増やしていく中で、次は何にしようかという話になったとき、飼育はしていないカラスやカモメもペンギンショーに乱入しているので、おたる水族館の仲間なんじゃないか、という話になりました。私も含め、個人的にカラスが好きだというスタッフもいたことから、グッズ化してみました」(ショップ担当者)
なお、商品名に「(勝手にいます)」という注釈をつけたのは、「あくまで飼育している生き物ではないことをお客様に周知するためです」とのことだ。
現在、オリジナルミニタオルの「勝手にいます」シリーズは、ハシボソガラス、ウミネコ、オオセグロカモメ、スズメの4種類。だが、全て今回話題となったことを受けて、館内・オンラインの2つのショップで完売している。取材に応じた担当者も、今まではポツポツとしか売れていなかった「勝手にいます」シリーズ」の注文がオンラインショップにたくさん入っていたことから、今回話題となっていることを知ったのだそう。
大反響について担当者は
「観光で来た道外の方とお話しすると、小樽に水族館があるというのを知らなかったという方も結構いらっしゃいます。これをきっかけにおたる水族館のことを知ってもらえて嬉しいです」
とコメント。完売中の「勝手にいます」シリーズのミニタオルは9月下旬に入荷予定だ。