「車で家に帰る途中、迷子になった20歳の私。サングラスに金ネックレスのオジサンが教えてくれた道を走ると...」(熊本県・50代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Nさん(熊本県・50代女性)
30年以上前、大学2年生だったNさんは夏休みに車で友人の家に行った。
行きは地図通りに進めたが、帰りは道に迷ってしまい......。
<Nさんの体験談>
今から30年以上も前、私は大阪の八尾に住む20歳の大学2年生でした。
夏休みのある日、高槻に住む友人から「車で家に来ない?」と誘われた私は、 軽い気持ちで「うん」と頷き、八尾から高槻まで車を走らせて友人の家に向かいました。
道に迷った末に...
ナビなど無い時代だったので、地図を片手に車を走らせました。 行きは地図通りにスイスイ行けたのですが、問題は帰りです。
車の免許取得からやっと1年が経過したところで、運転はほぼ初心者だった私は 「行きの道と同じ道を走ればいいじゃん!」と簡単に考えていたのですが、行きと帰りでは同じ道でも見える景色が違います。
行きで見えたものが帰りは見えず、逆も然り。その「景色の違い」に惑わされ、曲がるべき場所を間違えてしまいました。そしてとうとう道に迷ってしまったのです。
地図は持っていましたが、もう自分がどこを走っているのか全く分からなくなり、泣きそうになってしまいました。
仕方なく車を停め、近くで歩いていたおじさんに「道に迷ってしまいました。八尾に帰りたいんですけど、道が分かれば教えて下さい」と声をかけました。
そのおじさんは、サングラスをかけて首に金のネックレスをしたかなり怖そうな人だったのですが、紙とペンを持って地図を書き始め、とても丁寧に道案内をして下さったのです。そして「ここを間違うとまた道に迷うからね」と、今後の重要なポイントまでしっかり教えてくれました。
おじさんの導きを頼りに...
おじさんに書いてもらった地図とアドバイスを頼りに車を走らせると、八尾まで帰ることができました。自宅に着いた時は、涙が出そうになりました。
あの時、おじさんの導きがなければ、帰ることはできなかったでしょう。
おじさんにもう一度会うことができたなら、「あの時は本当にありがとうございました」と、きちんとあの時のお礼をしたいと今でも思っています。
おじさん、 どうか今も元気で過ごされていますように。
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