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「学生募集看板」になぜ登場?オファーにぶっちゃけ何を思った? 「夢グループ」石田社長&保科有里さんをまさかの直撃インタビュー

大山 雄也

大山 雄也

2023.07.04 08:00
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2023年6月初旬――ツイッター上がほんのりとざわついた。

通販CMでおなじみ「夢グループ」の石田重廣社長&歌手・保科有里さんのコンビが、青森の地で大きな看板になっていたのだ。しかも、同社の宣伝ではなく、ある学校の学生募集用の看板である。

なぜ、そんなものが生まれたのか。その理由は『なんで「夢グループ」が!? 東北能開大青森校の「通信販売すぎる看板」話題→起用の狙いを聞いた』に記したが......Jタウンネット記者は取材の手を緩めなかった。

そして、生まれたのがこちらの光景である。

水(みくまり)分さんが投稿した写真を持つ、夢グループの石田社長と保科さん(2023年6月20日、Jタウンネット撮影=以下同)
水(みくまり)分さんが投稿した写真を持つ、夢グループの石田社長と保科さん(2023年6月20日、Jタウンネット撮影=以下同)

2023年6月20日、夢グループ本社――。

記者は石田社長と保科さんに、ツイッター上で注目を集めた看板の写真(撮影:水(みくまり)分@_39ML_さん)を、通販番組のように持ってもらっていた。

看板と言えば「きぬた歯科」

東北能開大青森校の看板(画像提供:水(みくまり)分@_39ML_さん)
東北能開大青森校の看板(画像提供:水(みくまり)分@_39ML_さん)

さて、ツイッターで話題になったのは、東北能開大青森校の看板だった。

この特殊な仕事について、2人に感想を聞いてみることにしよう。

――東北能開大青森校からの依頼を受けたとき、どんな心境でしたか?

保科さん:まず、私も社長も大学を出ていないので......。
今、私たちのCMを若い人たちがTik Tokとかでご覧になられてすごく話題になっているのは知っています。
社長は他の人から見れば成功者になるのかもしれませんが、1人で会社を立ち上げて、いろんなご苦労がありつつも進んでこられました。夢のある大学生にアピールするために呼んでいただいたのかな、と思います。
インタビュー中の保科さん
インタビュー中の保科さん
石田社長:私は保科さんと考えが違います。いつもお互いの考えは違っているのですが(笑)
私としてはこの話を聞いたときに「不思議」だなと思いました。先ほど保科さんが言ったように、僕は大学に入っていないし、それなのにイメージキャラクターになって大丈夫なのかと。
看板というと僕らのイメージからしたら、きぬた歯科(編注:東京都八王子市の歯科医院。院長の顔写真付の看板広告を多数掲出)の看板みたいに至るところにバンバンバンと出ているもの。そのイメージがあったので心配していたわけです。
五所川原地域や他の地域にも僕らの看板がバンバン出たら、大学に迷惑が掛かってしまうのではないかと。ただ、1か所と聞いてホッとしたのは本心であります。
インタビュー中の石田社長
インタビュー中の石田社長

――1か所だけでかえって良かったのですか。

石田社長:でも、1か所では誰も気づかないだろうな......とね。ところが、「面白い」という声が地元の方から聞こえてきました。
1か所しかないから、みんな不思議だったんでしょうね(笑)
そう思っていましたが、大学から「もう1つ看板を増やさないか」と話があったんです。
(僕としては)増やさないほうがいいんじゃないかってね(笑) 1つだから希少価値があって、素朴感があって、その看板をみんなが気になって見に来るんじゃないですかね。

保科さん「社長は色々なことに興味がある」

――夢グループの公式ウェブサイトには、石田社長と保科さんのイベント出演・トークショー・講演会などの仕事を募集するバナーが出ています。東北能開大青森校の看板をはじめ、「通信販売」とは違うお仕事をするようになったのは、いつからですか。

石田社長:保科さんは歌手ですから、デビューのときから色々やっていますけど......。僕がやるきっかけになったのは、3年前に宮城県の有名企業が集まる新年会の依頼が来たのが始まりです。
新年会ですから、どうせお酒を飲んで騒いでいるところに行っても、誰も話を聞いてくれないんじゃないかと思い、「行かないよ」と断ったんです。
しかし、うちの担当が石田のスピーチを90分やってから、食事に入る。みんな石田の話をちゃんと聞いてくれるという条件を教えてくれました。それはやる気満々になりますよね。
水(みくまり)分さんが投稿した写真を持つ、石田社長
水(みくまり)分さんが投稿した写真を持つ、石田社長
石田社長:新年会でスピーチをするにあたって予行練習をする必要がありました。そこで文京シビックホール(東京都文京区)で日本全国のマスコミ関係の人に集まってもらい、120分ほどのトークショーを開催して予行練習を行いました。それが第1弾でした。
それからというものは、日本全国からたくさんのイベントなどの依頼が来ています。毎日2件くらいずつ依頼が来ています。

――「通信販売」以外のお仕事をすることによって、何か得られたものはありますか。

石田社長:保科さんは歌手ですから、イベントや看板といったお仕事は非常に大きな財産になります。
僕がそういう仕事を受けているのは、お金のためじゃありません。お金だったら、本業のほうが売り上げは出ますから。なぜ受けているかというと、そこで出会いや色々なヒントがもらえるんですよ。
例えば、イベントに参加することによって、世の中の情勢や状況を理解することができる。お金では買えない大きな財産なるんです。
保科さん:社長は色々なことに興味があって、知らないものを見たら追及・探求をする気持ちが昔からものすごいんです。

社長「宮藤官九郎さんを知らなくて」 保科さん「社長は知らないでしょ」

水(みくまり)分さんが投稿した写真を持つ、保科さん
水(みくまり)分さんが投稿した写真を持つ、保科さん

――東北能開大青森校の看板のように他社の広告やPRのお仕事は他にもありますか。

保科さん:CMの仕事も決まっていますし、グループ魂(編注:阿部サダヲさんや宮藤官九郎さんらのバンド)が中野サンプラザでのライブが始まる前に私たちのCM風映像を流したいと。宮藤官九郎さんが脚本と監修をしてくださった映像も出させていただきました。
石田社長:僕は宮藤官九郎さんを知らなくて、最初断ったんですよ(笑)
保科さん:社長は知らないでしょ。阿部サダヲさんとか宮藤官九郎さんとかわからないんです。

こちらが石田社長と保科さんが出演したグループ魂のコラボCMの1本。夢グループのCMのような雰囲気でコンサートグッズのスリッパを紹介する内容だが、保科さんはグッズの価格に「安~い」ではなく、「高っ」と反応。このコラボをきっかけに、次から次へと映像の仕事が舞い込んできているという。

今後、通信販売以外で石田社長と保科さんのコンビを目にする機会はさらに増えていくのか。最後に聞くと、石田社長が答えた。

「わからないですね、未来は」
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