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これが現実...だと? CGにしか見えない「透けてる車」にツイッター騒然→持ち主に「正体」を聞く

藤本

藤本

2023.06.25 08:00
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現実のものとは思えない、目を疑わざるをえない光景がツイッター上で大きな反響を呼んだ。

2023年6月14日に投稿されたこちらの写真である。

どういうことなの......(画像はおすぎさんのツイッターより)
どういうことなの......(画像はおすぎさんのツイッターより)

濡れたアスファルトの上に――CGの車?

そう思った読者も多いかもしれない。しかし、よーく見ると車を構成する白い骨組みのよう部分に水滴がついており、奥のガラスのドアにも、その姿が反射して映っている。影もある。紛れもなく、現実に存在しているのだ。

脳がバグってしまう(前景の画像を編集部で拡大・トリミング)
脳がバグってしまう(前景の画像を編集部で拡大・トリミング)

15日、Jタウンネット記者の取材に応じた投稿者・おすぎ(@yg_ic23)さんによると、車は14日に埼玉県新座市の野火止で撮影したものだという。

「びっくりしました、最初何が起こってどうなってるか理解するのに少し時間がかかりました」(おすぎさん)

一体これは何なのか。Jタウンネット記者は16日、この車の製造者を取材した。

脳がバグる車の正体は...

白いペンで描いたような車を作ったのは、金属加工や店舗・ディスプレイ什器の製作等を行う「山口製作所」(本社=埼玉県吉川市)。

専務取締役の山口勲さんによると、これは2011年から同社で製作を開始した「ワイヤーフレームカーの展示オブジェ」。東南アジア向けの新車発表会でのカタログ撮影の際、「車と一緒に並べるワイヤーフレームの車を作れないか」と依頼されたのがきっかけで生まれたものだという。

その後もリーマンショックの影響を受ける中、同社の技術力をアピールする手段として、ワイヤーフレームカーを引き続き手掛けていくことにした。

車種は山口製作所の社長が好きなHondaのCIVIC TYPE R(シビック タイプアール)。写真の場所には23年6月9日付けで運んでいる。(画像は再掲)
車種は山口製作所の社長が好きなHondaのCIVIC TYPE R(シビック タイプアール)。写真の場所には23年6月9日付けで運んでいる。(画像は再掲)

設計はネット上で購入した3Dのデータを、3次元CAD(3次元設計支援システム)に取り込んで行う。車の断面図を何枚も作り、それをパズルのように組み合わせていくと、車の輪郭が出てくるのだそう。

実際の制作風景。納期は車種などによるが約1か月、200万~300万円で1台分が作れる(画像は山口製作所提供)
実際の制作風景。納期は車種などによるが約1か月、200万~300万円で1台分が作れる(画像は山口製作所提供)

そこにワイヤーを自由にあてがって、溶接で固めて仕上げていくとのことだ。

「ワイヤーの本数など線の入れ方によって車のデザインが変わってしまうのでライン取りにこだわって製作しました」(山口勲さん)

なお、同社のワイヤーフレームカーは2016年にもSNS上で話題になったことがある。再び反響を集めたことについて、山口さんは

「7年前に一度大きく話題になった為、これほど取り上げていただくとは思っておらずびっくりしています」

と語っている。

なぜこの場所に?

おすぎさんの14日の投稿で注目を浴びたのはデザイン設計やバルーン、ディスプレイ事業等を行うハニカムファクトリー(本社=江戸川区)の「新座80スタジオ」(埼玉県新座市)に設置されているワイヤーフレームカー。

いったい、どんな経緯で設置することになったのか。同社に話を聞くと、「目印」にするためだと説明する。

事業所が移転してきたばかりで看板もないころ、打ち合せに来た客が通りすぎてしまうことがあった。 そこで仲の良い山口製作所にアイキャッチとしてワイヤーフレームカーを置かせてほしいと依頼したという。

今回、ツイッター上で3万3000件以上のリツイート、7万7000件を超えるいいね(21日昼時点)のほか、

「これが針金なのが凄い...CGかと思いました」
「これほんと生で見たら2兆度見するぐらい凄いっす」
「ウォォォォー!これは脳がバグる」

といった声が寄せられていることについて、ハニカムファクトリーは

「良かったなという感じで、アイキャッチとしては狙い通りです」

とコメントした。

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