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「俺のターン!ぶりかま塩焼きを召喚!」 メニューが「遊戯王カード風」の居酒屋でデュエル、スタンバイ!?

福田 週人

福田 週人

2023.06.22 17:00
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「居酒屋来たら遊戯王カードで草」

そんな呟きと共に投稿された写真が、ツイッター上で話題になっている。「遊戯王」といえばTCG(トレーディングカードゲーム)の代表格だが、それと居酒屋に何の関係があるのだろうか?

その真相が、こちらだ。

見たことあるデザインだ!(画像はかなで@syodai_kanadeさんのツイートより)
見たことあるデザインだ!(画像はかなで@syodai_kanadeさんのツイートより)

こちらは、富山県在住のツイッターユーザー・かなで(@syodai_kanade)さんが2023年6月18日に投稿した写真だ。テーブルの上に置かれたファイルには、「遊戯王」のカードが並べられている......と、思いきや。よく見ると名前や画像が実際の料理になっている。

ぱっと見ではカードのコレクションにしか見えないが、実際は「遊戯王カード風」のメニュー表だったというわけだ。遊び心満載なお品書きに、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「メニュー表がカードファイルは笑う」
「ちゃんと属性も逸品とか肴とか区分けされとる」
「提供のこと召喚って言ってるの最強すぎるw」
「ある意味、ずっと俺のターンが出来る」

このユニークなメニュー表はどこで見つけたのだろうか? Jタウンネット記者は19日、かなでさんに話を聞いた。

スタッフの目を盗んで作った

かなでさんが「遊戯王カード風」メニューを発見したのは18日の19時ごろ。場所はJR富山駅近くにある居酒屋「たすき 駅前店」だ。

「友達のおすすめで来店して、メニューを頼もうと開いたら遊戯王カードでした(笑)。こんなの見たことないし、商品の説明が遊戯王の効果みたいに書いてあったりで、とても凝ってて面白いなと思いました」(かなでさん)

それにしても、どうして「遊戯王カード」風のメニューを作ろうと思ったのだろうか? 記者は21日、同店店長の久冨祐督さんにも話を聞いた。

テキストも作りこまれている(画像は久冨さん提供、以下同)
テキストも作りこまれている(画像は久冨さん提供、以下同)

久冨さんによると、同メニューを導入したのは2020年の3月ごろ。店長である久冨さん自ら考案・製作したものだという。

「コロナ禍の30代一人暮らし独身男性には、ありあまる時間がありました。『こんなメニューは恥ずかしい』と反対する店のスタッフの目を盗んで作ったことを覚えています」(久冨さん)

メニュー表の作り方は、まずスマートフォンで撮影した料理写真をフリーの画像編集ソフトで編集。それをステッカーシールやホログラムシールに印刷し、カードに貼り付けてファイリングしている。

「こんなことにスタッフは力を貸してくれませんし、1枚当たり150円程度のコストなので、10冊作ると1ページ(18枚のカード)で2万5000円以上かかります。時間と体力とお金を生贄にしています」(久冨さん)

「そのお店を一言で表すことができるか」

とはいえ、「遊戯王カード風」メニューは単なる思い付きネタというわけでもないようだ。

製作に至った経緯を記者が聞くと、雑貨屋で見かけた卓上カレンダー型のフォトアルバムからTCGを連想したのがきっかけだった、と久冨さんは語る。

随所で店長のホンネが見え隠れしている
随所で店長のホンネが見え隠れしている
「飲食店においての『認知』の定義は、『そのお店を一言で表すことができるか』だと考えています。なので、『居酒屋たすきはおもしろい店だ』という感想を持って帰ってもらうために、キャッチーなメニューの開発を始めました」(久冨さん)

久冨さんの言う通り、少なくとも記者の中ではすでに「『居酒屋たすき』=『遊戯王カード風メニューの店』」と認知されている。たしかに、お店の印象を強めるには絶好のアイデアだろう。

お酒のメニューもこの通り。だが「召喚」のし過ぎには要注意
お酒のメニューもこの通り。だが「召喚」のし過ぎには要注意

2023年6月現在、メニューブックにファイリングしてあるのは看板メニューを中心とした18種類。ただ、2021年まで使用していたカードを含めるとデッキを組める程度の種類(40種)はあるそうだ。

カードに表示されている星マークはそのメニューの「おすすめ度」を表しているそうなので、注文の際には1つの目安にするといいだろう。

「あいにく私は『遊戯王』の元ネタに詳しくなく、対戦ができるほどのTCGプレイヤーでもありませんが、メニュー表を見て決闘(デュエル)を申し込んでくるお客さんや、『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』など原作に登場するカードのご注文をするお客さんも多いです」(久冨さん)

誇り高き決闘者の皆さんも、もちろんそうでない人も、富山に足を運んだ際には思う存分「俺のターン!」を満喫するのもいいかもしれない。

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