「無口で不愛想な隣の家のオジサンに、修学旅行のお土産を渡した私。すると翌日、1通の手紙を渡されて...」(東京都・20代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Mさん(東京都・20代女性)
両親が共働きだったMさんは、祖父母や近所のお年寄りに親切にされて育った。
隣の家のおばさんも明るく声を掛けてくれたが、おじさんは愛想がなくて......。
<Mさんの体験談>
私の両親は共働きのため、祖父母や近所のおじいちゃんおばあちゃんにとても親切にされて育ちました。
隣の家にはご夫婦が住まれていて、おばさんは明るく「Mちゃんおはよう!」「Mちゃん行ってらっしゃい!」と声を掛けてくれましたが、おじさんはいつも無愛想で無口な人でした。
少し怖そうなおじさんに挨拶すると...
私はご近所の人に会うと挨拶をするように教育を受けていたため、少し怖いイメージのあるおじさんにも挨拶をしていました。
また、遠足や修学旅行、家族旅行のお土産や、畑で採れたもの、作り過ぎたおかずもよくお隣に持っていきました。
インターホンを押しながらいつも
(おじさんじゃなくておばさんが出ないかな......)
なんて子供ながらにドキドキしていたものです。
けれど毎回おじさんが玄関から出てきて、無愛想で淡白にこう言います。
「...おう。楽しかったか。もらっとくよ」
高校2年生になり、北海道の修学旅行のお土産を届けたときも
「......おう。楽しかったか。もらっとくよ」
と相変わらずでした。
翌日、おじさんからの手紙を渡されて...
その数日後、隣の家のおばさんから手紙をもらいました。
達筆で書かれたその手紙の差出人はおじさんで、お土産をお渡ししたことへの感謝の言葉と共に、こんなことが書かれていました。
「貴女は他人を引きつける魅力を持っている」
当時の私は看護師を志しながらも上手くいくのか、進路やこれからの人生についてもどうしたらいいか、漠然としたよく分からない不安にいつも押しつぶされそうでした。
そんなときにもらった隣家のおじさんからの手紙に背中を押された私は、「何も根拠は無いけどなんでもやってみよう、挑戦しよう」と思えるようになりました。
すごく不器用で、すごく素敵なおじさんのはなしです。
看護師になった私に届いた、もう1通の手紙
後日談にはなりますが、無事看護師になって働いているときに、おばさんからも手紙をもらいました。就職したことへのお祝いと、お土産などを渡したりご挨拶をしていたことへの感謝の気持ち、これからの私を応援してくださる言葉が書かれていました。
就職祝いも同封されていて、手紙と一緒に大事にしまってあります。
二人からの手紙は何よりも元気が出るパワーアイテムです。
お隣のおばさん、おじさんありがとう。
本当に感謝してもしきれません。血は繋がっていなくても家族だと思っています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)