「指定席に座っていたら後から乗ってきた男が『そこ僕の席なんですけど』。私は間違ってないのに、舌打ちまでされて...」(北海道・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Bさん(北海道・30代女性)
正しい席に座っていたのに、後から来た乗客に「そこは自分の席だ」と言われた――Bさんは大学時代、そんな体験をした。
しかし相手が間違っているわけでもないようで......。
<Bさんの体験談>
大学生だった時のことです。その日私は、実家のある函館から大学がある弘前に向かうためJRの特急列車に乗りました。
指定席に座っていると、途中から乗ってきた男性客がかなり機嫌悪そうに「そこ僕の席なんですけど」と言ってきて......。
乗車券を見せてもらうと...
乗車券を見せてもらったところ、私も男性も全く同じ席番号でした。
そう説明するも、彼は私の乗車券の番号を見ようともしません。私の勘違いと思い込んで舌打ちする始末です。
私が車掌さんに聞こうと立ち上がると、タイミングよく車掌さんが登場。「この度は大変失礼致しました」と言って、私に「こちらへどうぞ」と促しました。
私が席から離れると、男性客はすぐさま音を立てて着席。疲れていたのかもしれませんが、誤解とはいえ、余りにも尊大な態度に悲しい気持ちになりました。
しかし、それもつかの間。車掌さんはなんと私をグリーン車へ連れてきて下さったのです。しかも、案内されたのは他のお客さんから離れた静かな席でした。
人生で初めてのグリーン車ということもあり萎縮して「差額を支払います」と言ったのですが、
「全く必要ありません。この度は私どものミスで大変失礼いたしました。良い旅を」
と車掌さん。こちらが申し訳なるような過剰な謝罪をすることもなく、終始穏やかに、かつはきはきと対応して下さいました。
驚きすぎて車掌さんの名前を控えるのをうっかり忘れてしまったことを本当に後悔しています。
新幹線が開通して以降、函館~青森間の特急列車にはもう乗れなくなってしまったけれど、アラフォーになる今も、しがない学生の1人を丁寧に案内して下さったあの車掌さんへの感謝を忘れません。
あの時の車掌さんへ。大学で色々あり、精神的に荒んでいた時期に、あなたの立派な姿が心に沁みました。本当にありがとうございました。あなたがあれ以降もたくさんの一期一会の乗客の方々を笑顔にしていることを、北の大地から祈っています。
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