「ドラえもん」「ふるさと」が鳴るはずが... 山梨の「メロディーを奏でられる橋」が悲しいことになっていた件
「メロディーを奏でられる橋」が山梨県にあるらしい。
一体、どういう意味なのか。変わったスポットに目がないJタウンネット記者は、その橋がある笛吹市に向かった。
こちらのその場所。中央道・境川PAから南東に約2キロ、広域農道にかかる矢越橋の隣にある「虹のかけはし」と名付けられた歩道橋である。
その上には茶色いアーチが複数かけられている。近づいてよく見ると......。
鐘がついている! 「虹のかけはし」はこの鐘を鳴らしてメロディーが奏でられるという、ユニークな橋なのだ。
実際に鐘を鳴らしたら→あれ?
せっかく現地に来てみたので、鐘を鳴らしてみることにしよう。
まずは橋の東側、境川小学校方面から入り向かって左側の鐘を鳴らしてみた。
......あれ? 順番に鐘を鳴らすための紐を引っ張っても何の曲にも聞こえない。それどころか「ゴーン」と鈍い音しか響かなかったり、そもそも紐が千切れてしまっていたり、ちゃんと鳴らせない。
不慣れな記者が悪いのか......何度も挑戦してみても、結果は同じ。何のメロディーにもならなかった。
では、反対側はどうだろう。今度は橋の西側から入り、向かって左側の鐘を鳴らしてみた。
やはり同じような結果に。鈍い音しか鳴らなかったり、紐を引いてもまともに音が出なかったりして何の曲になるのか予想もできない。
向かって右側の鐘もそれぞれの方向から鳴らしてみたが、こちらも不発。何のメロディーが完成するのかさっぱりわからなかった。
そもそもメロディーが鳴るの?
何度試してもメロディーが鳴らない虹のかけはし。「メロディーが奏でられる」って情報がそもそも間違いだったのか?
そこでJタウンネット記者は笛吹市役所を取材。産業観光部観光商工課の職員に話を聞いたところ、虹のかけはしの鐘は、ならせばちゃんとメロディーになるように作られてはいるとのこと。
橋の西側から右側の鐘を順に鳴らすと「ドラえもん」 、反対側から鳴らすと「ふるさと」が鳴らせるようになっていたそうだが、
「橋が完成してからかなりの年月が経っていて、バネが外れるなどの劣化してしまって今ではメロディーが鳴らなくなってしまっています」(観光商工課の職員)
笛吹市境川支所の職員によると、橋が架けられたのは1997年のこと。広域農道で交通量が増加したため、近くにある境川小学校に通う児童の安全を考慮して矢越橋に歩道橋を作ることになった。
その際、関係者が「せっかく橋を架けるなら、夢があるものに」と発案し、カリヨン(鐘)を設置したのだ。
夢があるものだったはずが、今は悲しい状態に......。ただ、市では鐘の修理を検討しているとのこと。
あの鐘を鳴らせる日が来たら、また訪れたい。