「ぼくのカッコイイ羽、もらってください!」 9か月男子から5歳女子へ...フクロウたちの「愛情表現」が激尊い
大切な存在に、プレゼントを贈りたい――そう思うのは、何も人間に限った話ではないようだ。
群馬県高崎市にある「ふくろうカフェ楽園」の公式ツイッターアカウント(@owlcafe_rakuen)は2023年4月26日、こんな動画を投稿した。
枝に止まった2羽のフクロウの片方が、クチバシで羽根をくわえている。それから、くわえた羽根をもう一羽のくちばしの近くまで持っていき、受け渡そうとしている。
「フクロウは繁殖期になるとパートナーに対して羽根をプレゼントすることがあります。これは、自分の美しさを示すことで相手に自分の魅力をアピールし繁殖のためのパートナーを引き付けるための行動と考えられます」(ツイートより)
どうやら、パートナーに自分をアピールするための行動のようだ。魅力を伝えるために羽根を贈るとは、なんだかロマンチックである。
羽根を持つ生き物ならではのプレゼントに、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「最高のシャッターチャンスやんけ」
「じゃあ繁殖期にふくろうカフェに行くと羽根を貰えるワンチャンスがあるかもしれないと......」
「プレゼントを贈るとは、とても社会的なふるまいですね!」
Jタウンネット記者は27日、投稿のフクロウたちについて、「ふくろうカフェ楽園」のオーナーに話を聞いた。
プレゼントは、基本的にはオスからメスへ
動画に映っているのは、スピックスコノハズクという種類のフクロウたち。羽根をくわえているのが生後9か月の男の子の「ナツ」、そのお相手は5歳の女の子の「クルミ」だ。25日に店舗内で撮影したものだという。
オーナーによると、鳥が羽根をプレゼントする行動は通常、パートナーやパートナー候補にアピールするための繁殖行動の一部として行われる。
鳥の羽根は美しく色鮮やかで、輝きや柔らかさを示すための良い指標となる。そのため、羽根を贈るという行為は、相手に自分の魅力を示すことでパートナーを引き付けるための手段として機能することがあるそうだ。ただ、鳥の中でも種類によっては意味に違いがあり、まだまだ研究されている行動だという。
「今回はフクロウでもスピックスコノハズクという種類であり、かつ繁殖時期にとった行動であるため、繁殖行動としてとった行動かと考えております」(オーナー)
なお、羽根のプレゼントは、基本的にはオスがメスに行うことが多いとのことだ。
「飼育しているフクロウ達では見た事がない」
では、羽根をプレゼントされた側のフクロウは、その後どうするのだろうか。
オーナーは「まだ詳しくは解明されていない」と前置きした上で、自然界のフクロウの場合は、
「貰った羽根を地面に置き、自分達の縄張りの境界を示す目印などとして使っているのではないかと考えています」
と述べた。ただ、「ナツ」さんと「クルミ」さんのように飼育下にあるフクロウの場合は、「愛情表現の1つとしての意味合いが強いのではないかと感じます」。
一連の行動を見て、オーナーは
「少なくとも飼育しているフクロウ達では見た事がないので、珍しい行動だと感じております。また、『ナツ』は去年に自家繁殖させた子であり、その子が運命的にもパートナーを自分の力で得ようとしている様子を間近で見守れる事が、なにより感慨深いものがあります」(オーナー)
ちなみに、26日の投稿動画では羽根の受け渡しが上手くいっていなかったが、30日の投稿では無事に「ナツ」さんが「クルミ」さんに羽根を渡せた様子が確認できる。その後、羽根は2羽で共有されているそうだ。ハッピーエンドである。