「パンチパーマの男が運転するタクシーに乗った娘と私。当時は珍しかったケータイを車内に忘れてしまった結果...」(広島県・60代女性)
なくなっていたらと思うとぞっとする
館内に入りチケットを購入して展示室を歩いていたら、博物館の職員さんに声を掛けられたのです。
「これはお客様の持ち物ですか?」
そう言って差し出されたピンクの小さなバッグは、間違いなく娘の物でした。「はいそうです」と答えながら、どこにあったのだろうと思っていたら、その職員さんは続けてこう言いました。
「タクシーの中に忘れておられたのを、運転手さんが持って来られたんですよ。『車の中でお客さんがここへ来ると言うてはった』と」
そこでようやく、私は娘のバッグをタクシーに置き忘れていたことに気付きました。降車時に娘の手荷物を確認しなかったことを恥ずかしく思うと同時に、この博物館まで、それなりに距離もあるのに一生懸命歩いて届けて下さった運転手さんに心から感謝しました。
バッグの中には当時まだ珍しかった私の携帯電話が入っていたので、あそこで携帯がなくなっていたらと思うと本当にぞっとします。
当時40歳~50歳くらいでしょうか。スラリと背が高くて、パンチパーマの、シュっとした感じの男性でした。
もうお仕事は引退しておられるでしょうか。私の心には運転手さんの真心が、いつまでも生き続けています。ありがとうございました。
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