「ラッシュタイムに貧血で倒れ、電車を止めてしまった。『責められる!』と不安で体が動かなくなって...」(静岡県・30代女性)
目の前が真っ暗になった
初めてのリクルートスーツを着て緊張していたせいか、腹痛に加えて冷や汗も出てきました。しかし、電車内は座りたくても座れない状態。「あと3分耐えればホームに到着する」と思って耐えていたことをすごく鮮明に覚えています。
ですが、そのたった3分が耐えられませんでした。不意に目の前が真っ暗になり、耳も聞こえない状態になったのです。電車の音すら聞こえません。
自分が立っているのかも分からなくなり、おそらく一瞬気を失いました。倒れて床に頭が当たった衝撃で我に返るものの、「あれ? 今どんな状況?」と全く現状が把握できません。意識はあり、耳も聞こえるようにはなりましたが、視界はボヤボヤして頭が回りませんでした。
そんな私を見て、周りにいた方が「リクルートスーツじゃない? これから入社式じゃない?」と心配していましたが、みんなどうしていいか分からずシーンとしていたと思います。
その時、乗り合わせていた女子高生が、私に声をかけてきました。
「踏まれちゃうかもしれないので動かないでください!」
「お姉さん! どうしましたか!? 何してほしいですか!? 大丈夫ですか!?」
彼女はずっとそう声をかけてくれましたが、私は満足に返事も出せませんでした。