「ちょっと目を離した隙に、我が子の排泄物が見知らぬ人の服に付着。慌てて謝罪し、クリーニング代渡そうとしたけれど...」(香川県・60代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者Iさん(香川県・60代女性)
Tさんはその日、体調を崩した生後3か月の娘を連れて、病院を訪れた。
自分たちの順番を待っていると、途中でトイレに行きたくなってしまう。そこで、そばに居た人に娘を見ていてもらうことにしたのだが......。
<Tさんの体験談>
娘は生後3か月くらいの時、体調が悪くなって高松赤十字病院の小児科を受診したことがあります。
待合室には、他の科の診察を待つ患者さんもいて混雑していました。
「可愛いわねぇ」と近付いて来た親子に...
1人で連れて行ったので疲れてしまい、呼ばれるのを待っている間、私は娘を小児科待合室の外の空いていたベッドに寝かせることに。
するとそこへ、私より年上の女性とその娘さんが、「可愛いわねぇ」と近付いて来ました。
トイレに行きたかった私はお2人に、 「すみません、ちょっとお手洗い行って来ていいですか?」 と頼み、ダッシュで用足しへ。
戻ってくると、お母さまのほうが泣いている娘を抱いてくださっていたのですが......。
なんとその服が、娘の排泄物で汚れてしまっていたのです。
私は「お願いしていたのに、申し訳ありません」と謝罪して、クリーニング代をお渡ししようとしました。ですがその方は
「いいんですよ。可愛いから抱っこしたらね」
と言って笑い、お金も受け取られませんでした。
娘のオムツを取り換えた後、振り向くと...
泣き続けている娘のオムツを急いで取り換えた後に振り向くと、すでにお2人はいませんでした。
洋服まで汚してしまったのに、慌てるばかりでちゃんとご挨拶も出来ないままになってしまったことを、病院を出るまで悔やみました。そしてそれ以降小児科を受診する度にそのことを思い出していました。
月日は流れ、あの診察室があった建物は取り壊されて、病院はすっかり新しくなりました。
ですが、今年の正月、初めて娘が子供を連れて帰って来た時、ふと、あのときの事を思い出しました。
あの時、お世話になったお2人に、感謝を伝えたいです。
我が娘も元気に大人になり、子供が生まれて母親になりました。
あの時は本当に、ありがとうございました。
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