「大阪でタクシーに乗ったら、運転手が東北訛りで『おぎゃくさん』。思わず出身地を尋ねたら...」(東京都・50代男性)
前年、訪れた場所で聞いていた東北訛り
一瞬「え?」と思い、「運転手さんどちらの方ですか?」と聞きました。
私の祖父は50年ほど前に亡くなったのですが、遺体が見つかったのが弘前で、私は2002年に初めてその場所を訪れていました。運転手さんが話していたのは、その時に聞いたような東北訛りだったのです。
私の質問に「弘前です」と答えた彼は、そのまま続けました。
「お客さん、大丈夫ですよ。今日私ラズオ聴いてたんですよ。そしたら夫がくも膜下になったって人が出てたんですよ。私その人死んだんだって思ったんですよ。そしたら、奇跡的に助かって今は夫と二人で暮らしています、っていう人だったんですよ。だから大丈夫ですよ」
呆然と聞いているうちにタクシーは目的地に着きました。代金は4300円ほどだったので5000円をお渡しして、お釣りももらわず玄関で待っていた義妹と共に手術室へ走りました。
タクシーに乗った時点では病名はわかっていなかったのですが、父はくも膜下出血でした。
助かったとしてもその確率は1万分の1、しかも植物状態になる可能性が高いと告げらたのです。
しかし、父はその後6回も頭を開ける手術をして、何度か危篤になったこともありましたが、85歳の現在も元気に、私と母と一緒に暮らしています。
そう、あの運転手さんの言った通りになったのです。