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手間はかかるがコスパは抜群 熊本・五木食品が誇る「生タイプ鍋焼うどん」がとにかくアツい

オサーン

オサーン

2023.03.19 11:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第百三回 五木食品「鍋焼えび天うどん」と「鍋焼きつねうどん」

文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第百三回目となる今回は、熊本の即席麺メーカー、五木食品のアルミ鍋タイプの鍋焼うどん、「鍋焼えび天うどん」と「鍋焼きつねうどん」をレビューします。

五木食品の「鍋焼」シリーズには数種のうどんの他にちゃんぽんなどのラインアップがありますが、今回はその中でも全国的に店頭でよく見かける2品を食べていきます。

五木食品の「鍋焼えび天うどん」と「鍋焼きつねうどん」
五木食品の「鍋焼えび天うどん」と「鍋焼きつねうどん」

熊本・五木食品の「鍋焼」シリーズ

五木食品は、熊本に本社を置き、九州を中心に商品を展開する即席麺メーカーです。

九州には、福岡のマルタイや佐賀のサンポー食品など、即席麺の地場メーカーが多いですが、五木食品は乾麺タイプの一般的なカップ麺はなく、「アベックラーメン」など棒タイプの乾麺、「ナポリタン」など袋タイプの生麺、そして今回の商品のようなアルミ容器に直接火をかけるタイプの生タイプ麺などを製造販売しています。

特に棒タイプの乾麺や、アルミ容器タイプの商品は、スーパーなどで全国的に販売されており、五木食品の親子のロゴを見たことある人も多いのではないでしょうか。

五木食品のロゴ
五木食品のロゴ

アルミ容器に入った、直接火をかけるタイプの商品は、冷凍食品ならキンレイや日清食品冷凍から出ていますが、常温タイプは大手メーカーからはそれほど出ていないので、五木食品の商品は最も馴染みのある存在ではないでしょうか。

見た目がゴツいし、生タイプということもあって高そうですが、実際は「どん兵衛」や「赤いきつね」と同じくらいか、むしろ安価で店頭に並んでいる場合が多いようです。

【五木食品の他の商品のレビュー】

棒ラーメン「熊本もっこすラーメン」 こちら

生タイプ袋麺「ナポリ風スパゲティ」 こちら

「鍋焼えび天うどん」と「鍋焼きつねうどん」の内容物と作り方

「鍋焼えび天うどん」(左)と「鍋焼きつねうどん」(右)の内容物
「鍋焼えび天うどん」(左)と「鍋焼きつねうどん」(右)の内容物

「鍋焼えび天うどん」と「鍋焼きつねうどん」の内容物を確認していきます。

どちらにも共通しているのはアルミ製の容器と、生タイプのうどん、粉末スープ。違うのは天ぷらが入っているか、お揚げが入っているかです。

熱湯300ミリリットルと麺を入れて火にかける
熱湯300ミリリットルと麺を入れて火にかける

まずは300ミリリットルの熱湯と麺を容器に入れ、1~2分火にかけます。

ガスコンロ、IHどちらでも調理が可能です。最初は麺がほぐれにくいですが、無理にほぐそうとすると麺が切れてしまうので、この段階では何もしない方が良さそうです。

容器に2本のライン
容器に2本のライン

パッケージではあまりきちんと説明されていないのですが、容器には2本の線が入っており、下の線が何も入っていない状態での300ミリリットルの目印、上の線が麺を入れた状態での300ミリリットルの目印だと思われます。

ただ、アルミ容器は凹んだり出っ張ったり変形するので、自分できちんと計って入れる方が無難でしょう。

粉末スープを入れてひと煮立ちさせて完成
粉末スープを入れてひと煮立ちさせて完成

1~2分煮込んだら、「粉末スープ」、そして「きつねうどん」はお揚げも入れてひと煮立ちさせながら麺をほぐし、火を止めます。

「えび天うどん」は火を止めた後に天ぷらをのせて完成です。

お湯を入れるだけのカップ麺や、レンジで温めるだけのレンジ麺に比べると手間はかかりますが、お湯を計る以外にそれほど難しい作業はありません。

「鍋焼えび天うどん」の「えび天」は...

「鍋焼えび天うどん」
「鍋焼えび天うどん」

まずは「鍋焼えび天うどん」から食べていきます。

カップ麺では、天ぷらが入っているのはお蕎麦で、うどんは油揚げというのが鉄板の組み合わせですが、その間隙を突くように、五木食品のホームページなどでは「鍋焼」シリーズの中で「えび天うどん」が看板商品的に扱われています。

パッケージに映る天ぷらには大きな海老が入っているように見えますが、果たして実物は......。

「えび天」というには海老が少ない
「えび天」というには海老が少ない

カップ麺でもよく見られるかき揚げタイプ。

海老揚げ玉のようなものが入っているだけで、これを「えび天」というには多少違和感がありました。

「どん兵衛」や「緑のたぬき」のものに比べると少し見劣りします。

「鍋焼えび天うどん」完成
「鍋焼えび天うどん」完成

つゆは、薄口醤油の主張がおとなしく、相対的にかつおと昆布のだしが前面に出ています。

九州のうどんつゆは、あごだしのイメージがありますが、今回のつゆは昆布が強めで、魚介はそれほど強くありません。

醤油が強く感じられる東日本の味に慣れていると、あっさりすぎて最初はちょっと頼りなく感じられるものの、だんだんとだしの厚みが感じられるようになり、加えてわかめの磯風味がつゆに輪郭を加えていました。

麺は太いうどんですが、太さからイメージするほどの弾力やコシはなく、思いのほか歯切れがよくてやわらかい食感となっています。

福岡のうどんはやわらかいのが特徴なので、九州を中心に展開する五木食品のうどんにもその傾向が反映されているようです。

かための食感が好きなら、火にかける時間をなるべく短くすると良さそう。

生タイプの麺は、殺菌処理のために酸味を感じることが多く、今回の麺も調理前には酸っぱい匂いがあったのですが、沸騰させたためか、調理後はまったく感じなくなりました。

「鍋焼きつねうどん」はつゆがウマい

「鍋焼きつねうどん」
「鍋焼きつねうどん」

続いては、「鍋焼きつねうどん」。

こちらは他社のカップ麺にライバルが多い、うどんと油揚げの組み合わせです。

ただ、パッケージを見る限りはお揚げがあまり大きくないようで、海老が大きくなかった先ほどの天ぷらと比べても貧相に映るのが気になります。

「鍋焼きつねうどん」完成
「鍋焼きつねうどん」完成

つゆや麺、わかめはおそらく先ほどの「鍋焼えび天うどん」とまったく同じで、違いは天ぷらがお揚げになったことくらいだと思われます。

ただ、油揚げの甘い味付けが溶け出すことで、つゆの味に厚みが加わっています。

ちょっと甘めのつゆが好みなら、「えび天うどん」よりこちらが良いでしょう。

昆布主体のだしの強いつゆに、お揚げの甘みとわかめの磯風味がとても良くマッチしていました。

つゆだけならこちらの方がおいしかったです。

お揚げは小さい
お揚げは小さい

つゆには効果的な影響を及ぼしたお揚げですが、具としては小さくてちょっと弱いです。

「どん兵衛」や「赤いきつね」のお揚げは大きくて厚みもあってジューシーなのが売りですが、今回のお揚げは半分程度の大きさで厚みもありません。

安価なので小さいのは致し方ありませんが、先ほどの「えび天うどん」に比べてもだいぶ迫力不足だと感じました。

アツアツでコスパが良いのは大きな利点

お湯を沸かした上に鍋調理もしなければならないため、カップ麺に比べると手間がかかりますが、鍋調理によって迫ってくるアツアツ感が素晴らしかったです。

カップ麺をいつも食べているなら、たまにこういう商品を食べると変化が生まれて新鮮。

安価なりに貧相に映る部分があるのは否めませんが、アツアツのうどんを手軽に、コスパ良く食べられることは大きな利点ではないでしょうか。

だしや具にはそれほど熊本や九州らしさは感じませんが、太いのにやわらかいうどんの食感に九州を見た気がしました。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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