浴槽の床に黒くて長~い髪の毛が...!? ホラーと見紛う「鳥の入浴シーン」が話題に
「なんじゃこりゃあ!?」と二度見してしまいそうな、「浴室での写真」が、ツイッター上で話題になっている。
こちらは、ツイッターユーザーのナンシー・クレオパトラ・ドゥ・メディシス(@Nancy65094154)さんが2023年3月6日に投稿した写真。浴槽のフタの上に、一羽のニワトリが立っている。
それだけでも見慣れない光景だが、何より目を引くのはお尻の方から床に流れていく、黒くて長いもの。体の何倍もの長さがある尾羽だ。
タイルの上でとぐろを巻いており、まるでとてつもなく長い人間の髪の毛のよう。風呂場という場所も相まって、写真の下半分だけ見たらちょっとホラーだ。
かなりインパクトのある絵面に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「一瞬人の髪に見えてホラーかと思った」
「尾羽をみるとぐちゃぐちゃになったVHSテープを思い出す」
「一瞬何事かと思いましたw貞子も現代で井戸がなさすぎて風呂から出てくるのかとw」
このニワトリさん、一体ナニモノ? そしてこれはどういう場面なの? Jタウンネット記者は8日、ナンシーさんに詳しい話を聞いた。
平安貴族の女性のようで...
浴室にいるのは「オナガドリ」。長い尾羽が特徴のニワトリの一種で、「土佐のオナガドリ」として国の特別天然記念物にも指定されている希少な動物だ。
ナンシーさんは子供の頃から生き物が好きで、特にオナガドリは憧れの存在だった。そして23歳のときに卵を購入・孵化させ、飼育を開始したのだという。
ナンシーさんは平安時代の文化が好きで、「尾長鶏の尾羽が平安貴族女性の長い髪に似ていて好き」。また、オナガドリのお世話をしながら、性自認が流動的な不定性のXジェンダーであるという自身の特性との共通点を感じることもあるそうだ。
そんなオナガドリがなぜ浴室にいるのかというと、その長~い尾羽のお手入れのため。
6日、ナンシーさんは自宅のお風呂場で、オナガドリの「玉鬘(たまかずら)」さんを洗ってあげていた。2023年3月現在、6歳の玉鬘さんの尾羽の長さはなんと5メートル60センチにもなる。
オナガドリの尾羽は非常に切れやすいため、日頃から大切にお世話をしているそう。特に、汚れが目立ってきた時や、春先に行われる日本鶏の品評会に参加する際には、シャンプーで洗ってあげているのだとか。
「趣味であり、生活の一部」
ナンシーさんは玉鬘さんをお姫様のように扱い、玉鬘さんもお手入れされているときは大人しく受け入れているという。玉鬘さんのほうも「キレイにしてもらっているのね」とわかっているのかもしれない。
尾羽を洗うときはシャンプー2回、トリートメントを1回しているそう。ダメージを軽減させるために、使っているのはロングヘアの女性が使うようなもの。洗ったあとはすぐにドライヤーで乾かし、乾燥後は羽に椿油を軽く塗る。その際、鶏冠(とさか)のマッサージや爪切りも同時に行っているという。
オナガドリの尾羽を清潔に保つには、丁寧かつ入念なお手入れが大切。とても長くて切れやすいとあっては苦労も多そうだが、ナンシーさんは次のように語る。
「よく『大変ですね~』『私には真似できません』『こんな苦労があるんだ』などと言われますが、私にとってオナガドリは趣味であり、生活の一部です。なので、面倒くさいとか、やりたくないなどと感じた事はありません」
玉鬘さんの綺麗な尾羽は、きっとこれからもナンシーさんの手によってその美しさを増していくに違いない。