「仕事からの帰り道に車が突然故障した。なんとかパチンコ屋の駐車場に寄せると、スッたばかりの男性が近づいてきて...」(香川県・50代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Mさん(香川県・50代男性)
20年ほど前、Mさんが仕事から帰ろうとしている途中、乗っていた車が故障してしまった。
道路脇にあったパチンコ屋の駐車場になんとか停車したものの、そこで車は完全に動かなくなってしまい......。
<Mさんの体験談>
20年ほど前の初夏だったと思います。職場からの帰り道で突然車が動かなくなりました。
最後の力を振り絞り、何とか道路脇のパチンコ店の駐車場に辿り着きはしたものの、そこでエンジンが完全に沈黙。
途方に暮れている私のところに、パチンコ店から出て来たお兄さんが近づいてきました。
「近くに俺のツレが...」
「どした?動かんのか~?」
そう聞かれて、「ええ、何が悪いのか見当つかなくて...」と答えると、そのお兄さんは「ちょっと見せて」と私の車の様子を見てくれました。そして
「ああ、プラグが被ってるかなぁ......。
この近くに車の会社にいる俺のツレがいるわ。待ってろ、電話するから」
と言って、どこかに電話をかけ始めたのです。
通話の相手がすぐに来てくれることになり、私はお兄さんと一緒に待つことに。
その間も「大丈夫か、急いでないか」と気を遣ってくれました。
ほどなく到着したお兄さんのご友人もやはりプラグの不調を疑い、ご親切に「勤務先まで牽引しましょう」と勧めてくれました。
お礼がしたいとお願いしたら...
私もご友人と同行することになったので、最初に声をかけてくれたお兄さんに「後でお礼がしたい、連絡先を教えてほしい」とお願いしたのですが、彼は「困ったときはお互い様」と言って教えてくれません。
「パチンコ、スッて気分悪かった。けど何かひとつ良いことできて俺も良い気分だから、これで良いんだよ」
そう言って、足早に去っていきました。
去り際、私は彼の乗っていた軽トラに会社名と電話番号が書いてあるのに気づき、それを頼りに後日、会社までご挨拶に伺いました。
彼はその時のことを覚えていたようで「え、何で?」と驚いていました。家族経営の会社だったようで、恐らくは彼のお母さんでしょう、呵呵と笑いながら
「ははは、悪いこたぁ出来ないねぇ」
と言っていました。彼をはじめ、その周りの人達の温かさが心に沁み入りました。
今も当時の場所を通る度、思い出さないことはありません。
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