「妊娠中の私のお腹をグイグイ押してくる酔っ払い。『押さないで』と言おうとしたら、タトゥーの入った手が伸びてきて...」(東京都・40代女性)
気を張って働いていた妊婦時代
研修医3年目に子供を授かりました。
それまで研修医の間に妊娠した獣医師はいなかったので、「妊娠しても普通に働くことができると証明しなければ」と、いつも気を張って仕事をしていました。
幸い、悪阻が「食べづわり」だったので、診察室の外にパンやおにぎりをおいて、問診の途中で気持ち悪くなっても「ちょっとお待ち下さい」と外に出て、パンを一口かじって中に戻り診察を続けていました。もっとも、緊張もあって仕事の最中に気持ち悪くなることはめったになかったのですが。
つらいのは、帰り道です。
JRから千代田線に乗り換えて帰っていたのですが、仕事が終わるとホッとして気が緩むらしく、御茶ノ水駅で一旦休憩を挟まないと地下鉄に乗り換えることが出来ませんでした。
気合を入れて地下鉄に乗っても、その時間帯は通勤ラッシュのピーク。もちろん座ることはほぼできないので、大きくなり始めたお腹をかばいながら、いつ気持ち悪くなってもすぐ下車できるように、扉付近の柱につかまって足を踏ん張るのが日課でした。