熊本市公式YouTubeチャンネルで霊夢と魔理沙が「ゆっくり解説」 どうしてこうなった?市役所に聞く
職員「『ゆっくり解説』というのは完成されたジャンルだと思います」
「ゆっくり解説」はYouTubeでも多くの動画が投稿されているジャンルだ。しかし、どうして熊本市のチャンネルで採用したのか。2月15日、Jタウンネット記者は同市上下水道局総務部経営企画課で動画の編集に携わる職員に話を聞いた。
職員によると、熊本市上下水道局内には、事業内容を発信するための広報戦略などを考えるグループがある。その会議の中で「今の時代に何かを伝えるならば動画だろう」という話になったが、そこで問題となったのが動画の形式だった。
「外注するには予算もかかりますし、手の込んだものだと継続して作るのが難しい。悩んでいた時に私をはじめ、職員の中に『ゆっくり解説』を知っている人がいました」(総務部経営企画課の職員)
「ゆっくり解説」は自分たちが発信したい内容に合っているし、活用している自治体はほかにない。それにYouTubeをよく見ている20~50代の層に見てもらえるのではないか――そんな思いもあって、「ゆっくり解説」で行くことが決まった。
その後、熊本市上下水道局は「東方Project」を手掛ける「上海アリス幻樂団」やイラストレーターにも許可を取り、制作、公開に至ったという。
だが、ここで一つ疑問がわいた。わざわざ他のキャラクターを使わなくとも、熊本には「くまモン」という存在がいるではないか。ゆっくり解説に、絶対に魔理沙と霊夢を使わなければならないルールもないと思うのだが......。そんな記者の問いかけに、総務部経営企画課の職員は
「『ゆっくり解説』というのは完成されたジャンルだと思います。キャラクターを変えてしまうとコンテンツが崩れてしまいますし、魔理沙と霊夢を変えるつもりは最初からありませんでした」
と答える。職員も普段から「ゆっくり解説」の動画をよく見ていて、魔理沙と霊夢の起用には強いこだわりがあったようだ。
熊本市上下水道局では3人の職員で動画を制作しているため、業務状況にも左右されることはあるそうだが、担当職員は「今後も『ゆっくり解説』動画を投稿していきたい」と話していた。