「4歳の夜、目覚めたら両親が消えていた。妹を守るため外に飛び出すと、見知らぬ車がゆっくりついてきて...」(兵庫県・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの日であった「私のヒーロー」~ 投稿者:Kさん(兵庫県・30代女性)
夜中に目を覚ましたら、両親が家から消えていた――4歳の時、Kさんそんな経験をしたという。
母を呼んでも、父を呼んでも反応がない。家じゅう探し回っても、どこにもいない。
2歳の妹と2人で家に取り残された彼女は、泣きじゃくる妹を守るために、家を飛び出した。
<Kさんの体験談>
私が4歳の時の話です。夜中に目が覚めてしまい母親を呼んだのですが来てくれません。父親も同じで呼んでも来ませんでした。
家中を探し回っても、どこにも両親がいない。不安になった私はぐっすり寝ていた2歳の妹を起こしました。妹は眠そうに目をこすったあと、状況を把握して泣きだしてしまいました。
泣きじゃくる妹と夜道を歩いていると...
私は泣くのを我慢しながら「この状況から妹を守らなければ」と思い、近くにある母方の祖母の家に行くことにしました。
そこに行けば祖母も祖父もいます。私は思いついたと同時に妹の手を強く握り、外へ飛び出したのです。
祖母の家にはよく遊びに行っていたので、道は覚えていました。
道中、妹はずっと泣いていて、私は何とか落ち着かせようと、なだめたり歌を歌ったりしながら早歩き。3分の1程度の距離を歩いたところで、白いセダンが私たちに合わせるかのように横を走りながらついてきて......。
すぐに車の窓が開き、中にいたおじさんが話しかけてきました。
「どしたん? こんな時間に子供2人で。お父さんお母さんは? どこに行くん?」
私が「パパもママも起きたら居なくなってた。今からおばあちゃん家に行く」と説明すると、おじさんは「ほな、おばあちゃん家まで連れてったるから乗り!」と言うのです。
それを聞いて、我慢してた涙が溢れてきました。「これで妹を守れる。この状況から脱出できる」と思いながら、私は妹と一緒におじさんの車に乗り込みました。
姉妹を助けてくれた「スーパーマン」へ、ありがとう
道順を伝えると、おじさんは祖母の家まで連れて行ってくれました。インターホンを押すと祖母が「こんな時間に何事!?」といった顔で慌てて出てきます。
おじさんが少し状況を説明し、私も起きたら両親が居なくなっていたことを話すと、祖母は思いついたようにどこかに電話をかけていました。通話が終わると、祖母はおじさんにお礼を言い、おじさんは安心した顔で帰っていきました。
その後、両親が急いで迎えに来ました。祖母からキツイお叱りを受け、とても反省している様子でした(高校生になってから聞いたのですが、両親は同じマンションに住む父の兄夫婦の部屋に飲みに行っていたそうです)。
あの時、祖母の家まで送ってくれたおじさんに今でも感謝しています。おじさんが助けてくれなければ、もしかしたら別の誰かの車に乗って誘拐されたり、あるいは事故に遭ったりして、二度と帰って来れなかったかもしれません。
私と妹を助けてくれたスーパーマン、ありがとうございます。
今では私にも3歳と1歳の子供が居ますが、何があっても絶対に子供たちだけにはさせないと日々気をつけています。
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