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「ちょっとは恐れろや」 キャンプの焚き火に「同席」してきた珍客にネット民騒然→なぜ近づいてくるの?管理者に聞く

福田 週人

福田 週人

2022.11.17 20:00
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焚き火をしていれば、野生動物は近寄ってこない──そんな話を聞いたことがある人も多いだろう。

しかし、全ての野生動物に当てはまるわけではないらしい。

あるツイッターユーザーがキャンプ中に目の当たりにした衝撃的な光景に、注目が集まっている。

近い、近い!(画像は鉄男@ii_ironさんのツイートより、以下同)
近い、近い!(画像は鉄男@ii_ironさんのツイートより、以下同)

こちらは、四国在住のツイッターユーザー・鉄男(@ii_iron)さんが2022年11月5日に投稿した写真だ。すでに陽もとっぷり暮れた夜の林。暖かそうな焚き火の近くに顔を出しているのは......立派なツノとつぶらな瞳が印象的な、1頭のシカ。

文字通り目と鼻の先に火があるのに、怖がっている様子は全くない。鉄男さんも「ちょっとは火を恐れろや」と驚いたように呟きを添えている。

鉄男さんが出くわした「珍客」の姿に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「存外心地よかったのかもですね!」
「鹿『あったけぇ』」
「こんばんわ、ぐらいの感じで来てますね」

一体、どうしてこんな状況に? Jタウンネット記者は11日、投稿について鉄男さんに話を聞いた。

板橋区くらいの広さに約500頭のシカが!

鉄男さんがシカと遭遇したのは、5日から6日にかけての夜。場所は安芸の宮島――厳島(広島県廿日市市)にある包ヶ浦自然公園の有料キャンプ場だ。俯いてスマホを見ていたら気配を感じ、顔をあげるとシカがすぐ目の前に居たという。

「もともと鹿だらけの島なので、キャンプ場内にも常時複数の鹿がうろついている場所です。ただ人間に近づいてくる鹿は少なく、ましてや焚き火に寄って来るのは珍しいのでびっくりしました」(鉄男さん)

宮島観光協会の公式サイトによると、同島に生息しているのはニホンジカ。東京都の板橋区より少し狭い面積の島内におよそ500頭が生息し、その内の約200頭が街中に生息しているという。まさにシカだらけの島というわけだ。

「(シカは)特に接触してくることもなく、しばらくにらめっこしてた感じですかね。のんびりした感じで、気がたっている様子とかはなかったです。当時はびっくりしたんですけど、動物好きなんで今は可愛いという感想の方が大きいですね。とぼけた表情がとても良い」(鉄男さん)

その後、シカは鉄男さんの張ったテントの近くで座って休んだり、たまに立ち上がってテントの周囲をグルグルと歩いたりしていたそうだ。

朝になってもいた
朝になってもいた

それにしても、どうしてここまで人に慣れているのだろうか。Jタウンネット記者は14日、同公園管理センターの副所長・岩崎竜三さんに話を聞いた。

「シカは、自然の中でこそ健康に育ち、幸せに暮らしていける」

岩崎さんによると、宮島にいる鹿は野生ではあるものの、一部の観光客や公園利用者がエサを与えることがあるため、かなり人慣れしているという。また、毎週1回、鹿のエサを車に満載して彼らに与えるNPOがあることも、その理由の1つではあるそうだ。

「シカが火を怖がらずに近づいてくるのも、『火のある所には人がいる』=『人がいる所にはエサがある』と考えているからかもしれません」(岩崎さん)
宮島のシカは人に慣れているらしい
宮島のシカは人に慣れているらしい

ただ、宮島地域での一般人によるシカへの給餌は禁止されており、同園でも受付の際、利用者に案内及び注意喚起をしているそうだ。

宮島観光協会の公式サイトによると、この2~30年で人からエサを与えられることを覚えたシカが街中に増加。人が触ったものをシカが食べてしまうことが多く、誤食したビニ-ル類や衣類などが胃の中で消化できず、石のように固くなってしまうというケースもある。大きいものだとバレーボール位の大きさになり、自力では排出することができないため、栄養不良となって死に至る個体もいるそうだ。

「安易にシカにエサを与えない。またゴミは、お持ち帰りいただくようお願いします。シカは、自然の中でこそ健康に育ち、幸せに暮らしていけるものと思います」(宮島観光協会公式サイトより抜粋)

人懐っこい鹿が近づいてきたら、ついつい何かあげたくなってしまうかもしれない。しかし、シカたちのためにも、適度な距離から眺めるくらいに留めておこう。

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